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全日本ラリー選手権参戦レポート

全日本ラリー選手権
第9戦 第34回MCSCラリー・ハイランド・マスターズ2006

ドライバー参戦レポート

日時:2006年10月20~22日
場所:岐阜県高山市丹生川村周辺 約300km

報告
前回5月の東京ラリーから5ヶ月ぶりの全日本戦出場になります。毎年、このラリーは全日本最終戦として開催されており、数多くの名勝負やアクシデントを生んできました。特に、ダート路面の荒れ方は半端じゃなく、カーブレイクラリーの称号を与えられています。私自身は以前、三菱ミラージュでこのラリーに参戦し、下りのSSで全日本戦で初めてベストタイムを記録した事を覚えています。自分的には好きなラリーの1つです。10月19日木曜日に埼玉を出発。松本で1泊し、20日朝、目的の丹生川村に集合しました。

レキ
今回のラリーでは、3ヶ所の林道を使用します。1つはギャラリーステージで使用される、おなじみの深谷ダムサイド。ここはわずか1.17kmの短いSSですが、鈴なりのギャラリーの前を通過して、ドライバーも少しテンションが上がっているため、結構コースアウトする確率が高いのです。ここを2回走行します。もう1ヶ所は青屋と言われる林道。約5.5kmですが、道は荒れ気味、小児の頭大の岩がゴロゴロ・・・さらにはわだちの中には尖った岩やら、ダートの土の中に岩盤が出て来ている部分があったり・・・タイヤのバーストが非常に心配な路面です。しかも横に滑り始めたらなかなか止まらないし。ここを往復(down&up)で使用します。しかし、なんと言っても今回の勝負所は最後の1本。八本原林道と言われる全長20kmにも及ぶロングダートです。ここを3km、10kmに分けて1回、第2&4セクションではロング15.8kmのSS。さらに第3セクションでは逆走で9kmと2.8kmに分けて走ります。
レキは夕方までかかり終了しました。ガソリンスタンドで給油&洗車。そして今回の宿である民宿九兵衛へ向かっている途中!突然ガツン!という音とともに目の前がオレンジ色に・・・なんだなんだ???なんと言う事でしょう!ボンネットが直角に跳ね上がってしまっています。どうやら洗車の時にボンネットを留めるピンを締め忘れていた様で、走行時の風圧で開いたのでした。当然、ボンネットの付け根のヒンジは曲がってしまい、ボンネットは閉まりません。仕方なくガムテープで応急処置。サービス隊が待つ宿へそろそろと向かいました。今回はいつもサービスをお願いしているMOVELやシャフトからは誰も出場していないため、近くの関東の知り合いにはサービスが頼めません。他地区の人にお願いするなら、どうせなら地元の人にお願いするのが良いなと思い、今回は中部地区のミツバ自動車にお願いしました。5月の東京ラリーの時に私のいつものナビの飯田を横に載せ、大転倒を演じた山口選手(通称:ゾンビ)からお願いしてもらい、なんとかサービスを受けていただきました。が!なんとこの迷惑クルーはスタート前から事件を発生させたのです。やどの前の駐車場はとたんに即席工場と化しました。ボンネットを外して強制修正。ヒンジも金槌で叩いて修正。なんとかボンネットは閉まるようになり、一同ほっとするとともに、明日のラリーの先行きが思いやられたのでした。

第1セクション
21日、空は半分晴れていますが半分曇り。さて、今日はどんなラリーになるんだろう??
午前10時過ぎ、1号車から順番にスタートして行きました。今回は、スタート直後にギャラリーの待つ深谷ダムサイドへ。そこで観衆の前でセレモニアルスタートを行うのです。ゼッケン1から順番に観客の歓声と拍手の中、スタートします。放送で選手紹介が行われますが、それもゼッケン10番くらいまでは結構細かい紹介でしたが、2桁ゼッケンになると・・・まあ、あまり知られていないのは仕方ないよね~・・知る人ぞ知る、際物ドライバー&ナビなんだもの。。。。と自分たちを納得させつつスタート。おお、でも、なんかやたら握手を求められるぞ!これはもしかしてナプロのHPを見てくれている人が結構いたりするのかな???いい気分でSS1へと向かいました。

SS1 八本原short 1  3.04km(ダート上り)
まずは手慣らしの3kmです。トップドライバーがどのくらいのタイムで走るのか?自分はどれくらい離されるのかな?キロあたり3秒?5秒??
スタート後、しばらくは右に左に曲がり込みながら上っていきます。今回の脚はかなりリアが出て行くセッティングに感じます。おかげでアクセルを戻す事無く曲がれます。なかなか走りやすいセッティング・・・っていうか、ここまで出なくても良いんだけど・・・自分では少し抑えたペースでまあまあの走りでした。3.04kmを2分55秒でした。ベストはゼッケン8、ADVAN KYBランサーの田口/佐藤組で2分49秒。キロあたり2秒離されている計算になります。ホッホ~・・・そんなもんですかい。ちょっと安心しました。

SS2 八本原short2  10.45km(ダートフラット~下り)
Shortという名前でも、ここは10km以上あります。最初の勝負区間です。今回のエボ7の動きはわかったし、少し行きますか~・・・。
結構攻めました。SS1は様子見の7割・・って感じだったけど、このSS2は攻めの9割の走りって感じでした。でも、長いSS。攻め続けていると次第に突っ込みが速くなって来て・・・3.5Lというペースノートのコーナーでした。自分でもブレーキが遅れたのがわかりました。エボ7はリアをコーナーアウト側に落としながら曲がろうとします。そ、その数m先は・・・谷じゃん!戻れ!戻ってちょ~!ハーフスピン状態で、止まりました。良かった。「まだ行ける~!!!!」ナビ姫の悲鳴とも絶叫ともとれる声が耳元のインターコムから流れます。再び走行開始。4~5秒?いや、下手すると10秒弱のタイムロス??
その後はブレーキに特に注意しつつ、かつ挙動を抑えた走りに努めました。タイムはベストの炭山インプレッサに18秒の差を付けられ、9分23秒でした。あのハーフスピンが無ければ!!!あ、それでも負けてるか・・・

SS3 深谷ダムサイド  1.17km(ダートフラット)
ギャラリーステージです。フラットな割にいやらしいコーナーが多い林道です。スタート後2つ目のコーナーあたりからギャラリーが鈴なり・・・すっげ~!さすが全日本戦。ちょっと失敗もあり、なんとわずか1kmそこそこでベストに5秒も負けました・・・。

ここで第1セクション終了。ナビ姫の旦那からメールが・・・どうやら現在10番手にいるようです。ここでサービスに情報が・・・なんと中部の山口ゾンビ選手、ギャラリーの目の前で転倒コースアウトしたそうです・・・東京ラリー以来、ろくな事が無いね~。。。。東京ラリーで載せた人が悪かった????

第2セクション
SS4 深谷ダムサイド  1.17km(ダートフラット:SS3と同じ)
2回目のギャラリーステージです。今回はさっきよりはうまく走れました。でもこの林道は苦手です・・・・2秒タイムアップしましたが、ベストにはまたまた5秒離されました。

SS5 八本原long1  15.77km(ダート上り&フラット&下り:SS1+α+SS2)
本日のメインイベント。15kmのダートSSです。すでにこの林道は2回目の走行になるため、わだちが掘れ始めて、走りやすい部分と、岩盤がむき出しになってバースト注意な部分と・・・さっきは落ちそうになったので少し抑え気味で、しかも姿勢が乱れないような走りに徹しました。それでも攻めるところはしっかり攻めました。残念ながら下りになって、前車の巻き上げた砂埃で道が見えず、さらには前車に追いついてしまい、しばらく砂埃の中の走行を強いられました。ゴールまであと1kmほどの左コーナー・・・砂埃の中から前車のリアが!!!前車が道を譲ってくれているのでした。でも発見した時にはすでに遅く、ガシッ!鈍い音とともに、右フロントが前車の左リアにヒット。さらにガガガ・・・っと右側面をこすりながら横を抜けていきました。まあ、そこからは走りやすくなったのですが、ぶつけたことがショックで、なかなかリズムに乗れないうちにゴール。タイムは14分24秒。ベストに32秒も遅れました。あ~右側面はベコベコ・・・ショック!

ここで第2セクション終了。次第にサバイバルラリーと化してきました。現在9位。がんばろう!
サービスまでの道で、ハンドルの中心がずれているのを発見。サービスで右のタイロッドがひん曲がっているのを発見。なんとか叩いて戻そうとしましたが戻らず。とりあえずそのままアライメントだけ合わせて走行する事にしました。

第3セクション
SS6 青屋DOWN  5.55km(ダート下り)
周囲はすっかり暗くなり、ナイトラリーになりました。私もエボ7にライトポッドを装着。青屋林道に向かいました。林道に入って約3kmは舗装。ここも数年前に来た時にはダートSSの一部でした。今回はその先、ダートの下り5.55kmのSSです。スタート後しばらくフラットな普通の林道風。ところがすぐに下り始めると次第に道はガレ始め、後半なんか勾配はきついわ、横滑りは止まらないわ・・・それでもなんとかリアを振るのを我慢しながら前に前に・・・なかなか良いんじゃない??ゴールするとタイムは5分32秒。8番手でした。
この青屋はSS7で上りでもう一度使用するので、ここで約1時間の待ち時間があります。奥飛騨の山の中・・・周囲に光はほとんど無く、あるのは夜空の満天の星の光だけです。
「あ~、すっげえきれいな星空だな~」
ラリーをしていると時々こういうシチュエーションに遭遇します。まあ、周囲には他の競技車がひしめいているので、全然ロマンチックでも何でもないのですが、「これでナビが松嶋菜々子で、周囲に誰もいなかったらな~」などと考えてみたりします。横を見るとナビ姫がやはり空を見つめて、「あの星座おいしそう・・・」とか考えているのでしょうか???
「阿蘇のラリーでもこんなきれいな星空みたな~」
少し昔に浸ってみます。
「阿蘇もきれいやもんね~」「その後のSSで見事に刺さってリタイヤしたんだよ」「そんなの思い出さないで~!」

SS7 青屋UP  5.52km(ダート上り)
ここまでにすでに勝田選手がリタイヤしているので、奴田原選手はチャンピオン確定したのでしょう。スタートも完走ペース?と思えるようなスタートでした。私も何はともあれ、このタイロッドがひん曲がった状態でのHard Pushはリタイヤにつながるので、まずは完走完走・・・と呪文を唱えつつスロースタート。できるだけきれいに走ることを心がけつつ、負担になるような突っ込みはせず走りました。タイムは当然のように悪く、5分39秒。ベストに24秒も負けました。まあ、良い、良い。完走完走。

SS8 八本原REVERSE1 9.05km(ダート上り&フラット)
さあ、あとラリーは八本原を逆送で2本、そして順走ロングを1本で終了です。もう少し、もう少し。がんばれ!エボ7!がんばれタイロッド!言い聞かせながらのスタートです。スタート後しばらく上り。すでに先ほど2回走行しているので、コーナーはわだちががっぽり掘れています。ところどころ岩盤が出ているコーナーを抜けつつ、「こりゃ足が行かれるかも・・」と心配しつつもアクセルを踏みます。スタートして約4.8km。結構ハイスピードでコーナーリングが連続するセクションでした。右コーナーアウトからアプローチ。ステアリングを右に入れます。しかし!エボ7は右に向いてくれません。あれっ?おかしい・・と思いながらステアをさらに右に切り込みますが全く変化無し。エボ7はアウト側の土手に乗り上げ、ザザザ~っと土手を駆け上がって停止しました。よし、バックギア・・・・その時ゆっくり。すべてがスローモーションで動きました。車外の景色が大きくぐる~っと回転。運転席側のドアに衝撃が・・・「あ、横転したんだ!」さらにスローモーションは続き、世の中は逆さまになって停止しました。
「次が来る!脱出しろ!」ナビ姫に叫ぶと、シートベルトをはずしドアを蹴り開けて外に出ました。すでにオフィシャルが数名駆け寄ってきています。「後続を止めて下さい」「大丈夫、スタートを停めました」いや、だって、スタートしちゃってる車はどうすんのよ?ナビ姫と2人で心配していると、なんとすでに後ろゼッケンのクルーがそこにいるではないですか!ようやくほっとしました。
そこからが大変。横向きに道を塞いでいたので、みんなで逆さのエボ7を天井を支点に90度回転。そしてナビ側から横転、復帰させました。
あ~あ、今日も星空がきれいだぜ・・・・

こうして今年もまたマシンが壊れてシーズンオフに突入しました。くっそ~!!!
現在エボ7は板金屋さんにお世話になっています。来年こそ!!!!

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