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全日本ラリー選手権参戦レポート

東日本ラリー選手権
第2戦 第26回どんぐりサマーナイトラリー2006

ドライバー参戦レポート

2006.6.17-18 第26回どんぐりサマーナイトラリー2006
場所:秋田県北秋田市周辺  距離:200km
天気:晴れ&曇り  路面:オールダート、ドライ

前回の福島で開催された全日本戦から早2週間。完走の勢いをそのままに・・完走のためのうっぷんを吹き飛ばすために、秋田まで行ってきました。エボ7は大庭選手にレンタル中(次週の全日本京都に出場)なので、前戦FRCでターボがかからなくなったエボ3で出場することにしました。シャフトモータースポーツにドック入りし約1週間。見事エボ3は復活。どうやらアクチュエーターに行く配管が金属疲労のせいでぶち抜けていたそうです。
6月16日仕事終了後、午後5時半にナビ姫を迎えに行きました。今回のナビはいつもの飯田有希子ナビ。彼女は先日の全日本で愛知の山口選手と組んで出場。安全と言われていた山口選手にまで2回転半してもらって、『リタイヤの女王』とか『舞姫』などと呼ばれるようになっています。今回私がリタイヤすれば、彼女の噂はより確実性を持った話になることでしょう。行きの東北道でも何度も『今回リタイヤしたら、私どうしたら良いの~?もう上原さん以外誰も乗せてくれなくなるよ~』とやかましく言われました。まあ、勝てば上原エライ!リタイヤならナビのせい・・こんなに楽なラリーは無いですね!
出発が遅かったので、岩手県北上で宿泊。翌朝早く出発してスタート地点には朝8時45分に到着しました。そのままレキへスタート。まずはSS5&7で使用する林道。道幅はやや広めですが、路面は砂利が敷き詰められて滑りそう。しかも2回目に通るときはワダチが掘れそうな土質です。前半は軽い上り、後半は下り。約2.9kmでゴールです。そのまま同じ林道を進んで、次はSS6&8。ここがこのラリーで最長の4.5kmのSSです。あまりアップダウンは激しくない林道で前半はハイスピード区間がありますが、途中から回り込んだコーナーが続きます。ここが一番の勝負所でしょう。次は山を移って別の林道へ。SS1&3は鋪装からスタートです。すぐにダートインしますが、グレーチングが結構多い林道で、掘れるとコンクリートとの境でバーストする可能性が強い道です。途中道の横に重機が2台置かれているそうで・・・突っ込むと痛そう。リタイヤの女王様、ここには行かさないでね!!約3.2kmでゴール。そのままの林道を進みSS2&4。前半はアップダウンのあまり無い比較的スピードの乗りそうな林道、後半は良くある下りの林道です。約3.0kmでゴールです。
午後は車検を受けて着々と出走準備がととのってきました。その間にも、ナビ姫には『ねえねえ、今日も落ちるの?』とか『上原君、大丈夫??また道の外に誘われるんじゃない??』などと激励の嵐です。

第1セクション
20時01分、いよいよ1号車がまだ薄明るい秋田の山へスタート。我々はゼッケン9です。さすがに北国。日中は27℃でも、ひとたび日が落ちると少し肌寒いくらいの気温です。

SS1 3.2km(ダート 少し上り)
あいかわらず、他のマシン(エボ4以降)のスタートを見ていると速い、速い!スタート地点から約200mは鋪装。ダートイン後、上りながらコーナーとグレーチングをこなして行きます。と、ところが・・・エボ3はスーパー暴れん坊と化しています。まず、ストレートエンドでブレーキングが・・・抜ける~!!どうやらブレーキは2回踏まなければ効かないようです。そしてコーナーリング。頭の入りは良いのですが、リアが出る出る!フロントタイヤをワダチに入れると、リアタイヤはワダチを外れてコーナー進入は真横を向いて進んでます!おお!おもしれ~!!!勝手に車が曲がって行くACD付きエボ7とは全く違う面白さ!これぞジャジャ馬をドライバーがねじ伏せて走っている・・って感じです。SSが進んで行くにつれて感覚が慣れてきました。さんざん、危ない場面をクリアしつつゴール。3分17秒5。『ゼッケン1番は何秒?』オフィシャルの女の子が『え~っと、23秒です』よし、田島選手に勝った!さすがに1番は砂利かきでタイムは厳しいか・・・『ベストは誰?』『心配いらないです。これがベストです』おお!やった!
リタイヤの女王が『うわ~、すごい恐かった~。久しぶりに恐いと思ったよ。また女王がリタイヤさせた!って言われるかと思った』

SS2 3.0km(ダート 下り)
下りはまた格別にリアが滑ります。でも下りのダートは負けません!私の最も得意とする所です。マシンが横に行きそうになったら、迷わずアクセルを踏む!途中何度も道から外れつつもゴール。『ベストタイム誰?』オフィシャルは、『すみません、まだ把握していません。前ゼッケンが速かったように思いますが・・』
『前は何秒?』『たしか8秒でした』『ありがとう』
ナビ姫が一言・・・『あれ?8秒って言ったよね。うち2秒だけど・・・』

SS3 3.2km(ダート 少し上り:SS1と同じ)
今度は2周目なのでゼッケン1の田島選手は砂利かきから解放され、良いタイムで上がってくるでしょう。しかし、ここまでに田島選手には14秒のマージンを稼いでいます。現在2位のゼッケン8(藤生/福村組)にも8秒勝っているので、SS3と4は無理せずに、抑えて走ろうと決めていました。スタート後しばらくは思いどおりに展開していました。この走りならリスク無く、それほど大きくは負けないでしょう。とある下りロング5L&ダブルコーション!!3Rという区間でした。下りロング5Lを3速でアクセルを踏みながら長~いドリフトで抜けながら・・・ん?ダブルコーション3R?すかさずマシンを右に向けましたが、横を向いたまま道から外れて側溝に前後輪落ちてしまいました。『はあ~、終わったか・・・』『もう駄目?出れない?』そうじゃ!あきらめる前にあがいてみよう!リバースギアに入れてみる・・少し後ろに下がりました。反動を付けて右いっぱいに切って1速でアクセルを踏み込ます。しばらく溝の中を進んだ後、ガガッ!という音とともにエボ3は道に復帰しました。十数秒ほどロスしたでしょうか?ゴールしたタイムは3分29秒。SS1の12秒落ち。ベストはゼッケン6の土屋/黒崎組の3分17秒。一気にマージンを吐き出してしまいました・・・

SS4 3.0km(ダート 下り:SS2と同じ)
SS間の移動時に異常に気付きました。まず水温が下がらない!にもかかわらず電動ファンが回っていません!嫌な予感がしました。警告灯はバッテリーマークが出ています。そして・・・ステアリングが重く・・・パワステベルトが切れた!そう思いました。とすると当然オルタネータベルトも・・・。SS4スタート地点ではボンネット横から水蒸気が上がり始めました。リタイヤ覚悟でのSSスタート。幸い、前半を乗り越えれば後は下りだけ。しかし、できるだけ回転を上げないように高いギアで走るのは恐かった!しかもブレーキングはすべて2度踏まねばなりません。ああ恐!なんとかゴールまでたどり着きました。タイムは3分18秒。ベストはついにここで出てきました田島/べんとう組。3分5秒。あ~あ、逆転された!いや、それどころじゃない!なんとしてもサービスまで戻らなければ!!

街中までくだり・・・その後国道を約15km。山から降りて来た時点でヘッドライトはほとんど見えないくらいしか点灯していません。こりゃエンジン止まったら2度とかからないぞ!って言うか~、電圧下がって止まらないか??しかも水温計はすでに表示できなくなっています。こりゃ冷却水も全部沸騰したかも・・・。ガスケット駄目になるかな?『あと何キロくらい?』『もうナビコンも消えたからわからない』
途中からはトラックの後ろを付いて走りました。まだ着かないか?まだか?まだ~??
ようやくサービスまでたどり着きました。今回、サービスは諸隈さん率いるMOVELにお願いしました。事前に『今回は出走台数が多いから、あんまり大がかりなことは出来ないよ』と言われていたにもかかわらず、大がかりなサービスになりました。諸さん、ごめんなさい。
日本一あきらめの悪いドライバー&ナビゲーター、そしてサービス隊の皆様の献身的努力と、秋田の小舘親子の御厚意によりエボ3は復活しました。

ここまでのクラス4中間成績
1. ゼッケン8 藤生/福村組  減点775.5
2.     3 今井/森 組    777.8
3.     1 田島/べんとう組  778.0
4.     7 石黒/吉武組    779.4
5.     9 上原/飯田組    787.8
6.     6 土屋/黒崎組    788.4

第2セクション
トップからは12.3秒。マシンが直れば逆転可能な差です。気合いを入れ直して再スタート。レキの時にも思ったのですが、やはり4.5kmのSS6&8が勝負所のようです。

SS5 2.9km(ダート 上り&下り)
とりあえずターゲットタイムはゼッケン1番の田島選手のタイムとしました。田島選手とは9.5秒差。まずここで1~2秒詰めることが必要です。さあ、みんなにプレッシャーかけるぞ~!!!
スタート後しばらく上りからフラットになり後半下りです。車重が軽いエボ3(でも俺のエボ3は最低重量より80kgも重いんだよね~)は下りが得意。ドライバーの私も下りが得意。でも慎重に、慎重に。長いストレートエンドでは全てナビ姫に『ブレーキ注意!』と叫ばせました。2回踏むのを忘れたら最後です。下りダート路面を、エボ3はまるでスキー選手のように滑り降りていきました。ゴール!タイムは3分13秒。『ゼッケン1は何秒でした?』オフィシャルが『14秒』と言うのを聞いて、我々の間に少し緊張が走りました。あの走りで1秒しか詰められなかった・・・。

SS6 4.5km(ダート フラット、小さなup&downあり)
さて、本日の勝負を占うSSが来ました。ここで何秒詰めれるかで順位が見えてきます。満を持してスタート!最初は今夜一番のハイスピードセクションです。『4R、40、4.5L、80、5L、100・・・』ナビ姫のペースノートの読み方も幾分気合いが入っているようです。『5R、100』100mの直線で4速に入り、『4R、40・・・』4Rなら左足ブレーキでアクセルは踏んだまま・・・そのように実行した矢先!エボ3は思ったより回り込んでいたコーナーをドリフトアウト!道ばたの盛り土を乗り越えて停まりました。『くっそ~!』『まだ行ける!』ナビ姫の言葉に我を取り戻し、再びアクセルオン。ダメージが無ければ良いが・・・とりあえずエボ3は真っ直ぐ走っています。こうなりゃ行けるところまで行くしかない!ハイスピードセクションの後は。回り込んだコーナーが続きます。わだちが掘れていますが、じゃじゃ馬エボ3君はなかなかわだちの中をトレースして行ってくれません。フロントタイヤはなんとかわだちをトレースするのですが、リアタイヤは砂利の上・・・マシンは真横を向きつつコーナーを抜けていきます。ある時は草むらの中、またあるときは土手に乗り上げながらもゴール目指して進みます。ようやくゴール。長い長い4.5kmでした。タイムはベストから9秒負けの4分45秒。あ~あ。。。。。。勝負に負けたというのを実感した瞬間でした。優勝どこじゃない!入賞も危なくなりました。あ~あ。

SS7 2.9km(ダート 上り&下り:SS5と同じ)
SS前に上位のナビ達が集まり、中間成績を集計しています。その結果は・・・
1. ゼッケン1 田島/べんとう組 減点1251.8
2.     8 藤生/福村組     1255.0
3.     3 今井/森 組     1255.3
4.     7 石黒/吉武組     1259.2
5.     6 土屋/黒崎組     1259.2
6.     9 上原/飯田組     1267.1
おいおい・・・5位まで8秒もあるのかよ!!!
完走6位を目指すか、プッシュプッシュして1位を目指すのか???当然我々は後者を選びました。16秒は難しい・・でも8秒なら・・いや12秒だって。まだ我々は走っているんです。勝負しているんです。まだ7.4kmあるんです!最後まであきらめない!強い気持ちでスタートしました。SS5の時よりコーナーはわだちができ、走りやすくなっています。攻めました。久しぶりに完璧!な走りが出来ました。タイムは3分10秒。さっきより3秒タイムアップです。もはや他のクルーがどんなタイムで走行したかは関係ありませんでした。『自分のできるベストを尽くす』それだけでした。

SS8 4.5km(ダート フラット、小さなup&downあり:SS6と同じ)
スタート。ハイスピード区間は踏みました。さっき突っ込んだコーナーもクリア。回り込んだコーナーがこれでもか!と出てきます。わだちはかなり掘れています。前に前に・・・ゴールを目指して。今度も目立った失敗無しに走りきりました。4分38秒。SS6のベストより1秒落ちです。まあ、良しとしましょう。ナビ姫は久しぶりの完走にうれしそうです。さあ、ゴール会場に向けて移動です。

ゴール地点
我々の興味は、ゼッケン6&7に追いついたか?でした。ゴールし、駐車場に車を停車。ゼッケン7番にタイムを聞きました。『1736.2』という返事。『勝った!』ナビ姫にんまり。うちは1735.8だそうです。ゼッケン6のナビがいました。『1743.3』『あれ?私、計算合ってるよね?』ナビ姫は心配そうに検算しています。『合ってる!よし!4位ゲット!』 ゼッケン8は1740.2。『もしかして3位???』『うっしゃ~!』

結果
1. ゼッケン3 今井/森 組  減点1728.8
2.     1 田島/べんとう組  1730.1
3.     9 上原/飯田組    1735.8
4.     7 石黒/吉武組    1736.2
5.     8 藤生/福村組    1740.2
6.     6 土屋/黒崎組    1743.3

勝負は最後まであきらめてはいけない!今回の教訓です。さあ、次のりんどうも頑張るぞ!
最後になりましたが、スペシャルサンクスです。
チームサクセス&ショップMOVELのサービス隊のみなさん、BRIG宇山さん、秋田のゼッケン28 小舘優貴選手、その父:ゼッケン40 小舘久選手。
みなさん、本当に有り難うございました。今日の3位は皆様のご協力のおかげです。そして、1セクション最後に、オーバーヒートの中、サービスまで帰り着けたのは、ナプロオイルのおかげ・・・??かも。エボ3にはナプロオイルレーシング5W-60が入っています。

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