RTC Rally in SHINTOKU 2004

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全日本ラリー選手権参戦レポート

2004 全日本ラリー選手権参戦レポート 2輪駆動部門参戦レポート

2004全日本ラリー選手権ナビゲーター参戦レポート第8戦RTC Rally in SHINTOKU 2004

2004年全日本ラリー選手権(2輪駆動部門)
第8戦 RTC Rally in SHINTOKU 2004
2004年10月9日(土)~10日(日)
北海道十勝郡新得町&屈足町周辺約250km(オールダート路面)

タイムスケジュール:
第1ステージ
 第1セクション・・・・ 9日15時スタート  SS3本
第2ステージ
 第2セクション・・・・10日 7 時スタート  SS4本
 第3セクション・・・・10日12時スタート  SS2本
→ 合計SS9本(約52km)
天候:晴れのち曇り
路面:ドライ

報告

10月8日(金)朝7時、通常通り出勤。10時頃帰宅し、電車で羽田空港へ。インテグラは今頃まだ津軽海峡の船の中だろう・・・13時45分、定刻通りにレインボージェットを使用したJASの顔をしたJALは飛び立った。今回、一番の心配事は、インテ初のダート走行でも、2連覇というプレッシャーでも無かった。台風22号・・・、はるか南の南大東島あたりで、中心気圧950hPaの巨大な奴が日本上陸&縦断を企んでいた。このまま進めば土曜に近畿から関東に上陸、日曜に北海道直撃だった。
ラリー歴すでに20年近くなっている。雪の中も走った。強風でサービスのテントが吹き飛んだこともあった。しかし、台風の中でのラリーは未経験だった。
千歳空港からJRに乗り苫小牧へ。タクシーでフェリー発着所に向かった。すでにインテは駐車場で我々の到着を待っていた。ここで問題が起きた。荷物が多すぎて乗り切らないのだ。インテにはすでにラリー用タイヤが8本積まれている。さらにラリー用の道具箱、自分とナビの大きな荷物・・・結局、ナビの足下に1つ箱を押し込むことで何とかなったが、ナビの島津君にはこの後3時間、きつい思いをしてもらうこととなった。苫小牧から新得町まで約180kmくらいある。途中、定食屋に寄って、私は天ぷら定食、島津君はトンカツ定食を注文した。せっかく北海道に来たのだから、うに丼とかいくら丼とか食べたかったが、その定食屋には通常関東にもあるメニューしか並んでいなかった。やや不満を抱きつつ注文したのだが、いざ2人の定食が運ばれテーブルに載せられた瞬間、2人で顔を見合わせて吹き出した。トンカツ、天ぷらの盛られた量の多さ!どうみてもプロレスラーが食べる量である!2人でガツガツと食べた。
19時過ぎ、無事新得の宿に着いた。その夜はビールを飲んでぐっすり眠った。
10月9日(土)朝5時起床。6時にスタート地点に到着。レキ受付を行い、いよいよ林道へ。昨年使用した林道はギャラリーステージの林道のみ。メインの戦いの場は別の2本の林道である。1本目は先月、日本初のWRCである「ラリージャパン」で使用された林道で、締まった路面の超高速コースである。超高速と言えども、片側は谷、片側は山であることは変わらない。もう1本は、10kmのロングステージ。おそらくここが1番の勝負所だろう。前半3kmは幅の広い超高速ダート路面。途中、左折しやや狭い林道に入ると、約2kmほど渓流に沿ったそこそこ高速な道が続く。コーナーもきついコーナーはほとんどなく、高速コーナーが多いが、ほとんどのコーナーは道横の草によってブラインドとなっている。さらに進むと道はより狭くなり、車幅分しか見えない林道となる。しかし、コーナーは相変わらずブラインド&高速コーナーである。草が道の上まで頭を垂れており、非常に視界が悪い。完全にペースノートだけを信じて走るのみである。ギャラリーステージは昨年の林道を逆走。初めは急激な上り、1km弱でフラット路面となるが、非常にスリッピーなダート路面で、手前からアングルを付けたドリフトに持ち込むと、その姿勢のままドリフトアウトしていきそうな路面である。
10時半、スタート地点に戻ってきたが、林道の途中で、インテのリアがかなり柔らかいことに気づいた。車検終了後、後輪をはずし、ショックの硬さを調節しようとした・・・その時!私の目に飛び込んできたのは、ショックに穴が・・・オイルが漏れ出た跡が。あれ?たしかリアショックは別タンク付きショックだったはずなのに、目の前のショックには別タンクの姿は無い。この穴は・・・なんと!別タンクが林道でバンプした際にアームに当たってちぎれ飛んでいたのだ!穴は別タンクが付いていた部分の穴だった。すでにショック内のオイル&ガスはほとんど流れ出てしまっている。ようするに抜けているのだ。反対側も同様だった。「スタート前リタイヤ?」の文字が頭の中を駆けめぐる。北海道まで来て・・・
10万円近くのエントリー代を払って・・・?飛行機&フェリーを使って来たのに???
騒ぎは次第に大きくなり、他チームのクルーやついにはオフィシャルまで野次馬に来た。「上原なんか脚の善し悪しわかんないから、どんな物が付いてても一緒や」「そのまま走ってもわからんのやない?」「他のマシンのショック入れとけ」「なんか穴から適当なオイル入れて穴塞げ」・・・・完全に野次馬。他人事。みんな顔が生き生きしている。「おめえら、うるせ~!」で、結局ショック内にエンジンオイルを詰め込んで、穴は溶接した。良いのか?こんなので・・・????

第1セクション
スタート。SS1までのつなぎの舗装路面でも、ギャップを越えると、「ガツン!」と衝撃が来る。ま、抜けてる状態よりマシか?ダート路面でどんな動きになるのかさっぱりわからない。

SS1(ダート up&down 約3.5km)
スタート後、加速しながら緩やかなコーナーを3つクリアします。リアの動きを感じるため、わざと少しオーバースピードで進入。リアを軽く振り出してみました。おおっ!いきなりのドリフト状態。結構リアは唐突に出るようです。スピンしないように注意、注意!それでもさすがは北海道、WRCで使用しただけあって、直線の長いこと!さらにはコーナーも緩やかで、3速、4速・・・直線では5速!収まりの悪いリアに振り回されつつも気合いでアクセルを踏み続ける。ストレート250!4速全開から、3.5R!(ややきつめの右コーナー)進入手前で三角表示板&ドライバーが合図している。コーナー頂点辺りのイン側にスターレットが面影もないくらいぐちゃぐちゃに壊れてひっくり返っていた。ナビの姿が見えなかったが大丈夫だったろうか?ゴール!壊れたリアショックで我々がどれくらいの順位にいることができるのだろうか?2分34秒。なんとここまでのベストタイムだ!なんだあ~、結構行けるじゃないか!ほっと安堵しつつSS2へ向かった。

SS2(ダート flat 約10.5km)
 スタート前、後方ゼッケンの各車が並び、情報収集。さっきの野次馬達が口を揃えて、「上原くん頭悪いんじゃない?」「やっぱりこいつに脚は関係なかった!」などとうるさい。しかし、こういう言われ方は逆に賞賛されているようで、むしろ嬉しい。結局、SS1はベストに1秒差の3番タイムだった。
 SS2。少しばかり良い気分でスタートしたのがいけなかった。どこかに心の隙があったのだろうか?1つめの右コーナーでハーフスピン状態で出ていこうとするリアをフルカウンターで抑えたところ、反対向きにグリップしてコースアウト。「うわ!リタイヤ?」と思いつつバックギアでアクセルを踏んだところ脱出に成功。後でビデオを見ていたら、ここで約10秒ロスしていた。再び1速からシフトアップしていったことを考えても、ここで15秒程度はロスしたのだろう。その後は慎重にドライビング。後半の超視界の悪い林道もペースノートを信じ、行けるところは4速全開。草で先が見えない林道を100km/h以上で激走した。7分42秒。やはりここまでの中ではベストタイム。結局、この林道、ベストは次ゼッケンのアキラ選手が7分35秒。地元の大ベテラン田中選手が36秒、41~45秒台に数台入っていた。おそらく、あのバックギアが無ければぶっちぎりベストが出たものと思われる。
 一旦サービスに戻って、整備後SS3へ。

SS3(ダート 上り 約2.7km)
 この時期、すでに北海道の日暮れは早く、夕方17時半を過ぎると周囲は真っ暗。完全にナイトステージとなった。スタート後、2.5L、3.5L、2.5Rを無難にクリアし、少し直線の後の3R・・・完全にオーバースピードだった。インテはドアンダーを出しつつコーナーアウト側へ・・・くそ!1速にシフトダウン、アクセルを踏みつける。ガガガ・・・フロントタイヤが路面を引っ掻きながら、インテが進行方向へ進み始めた。結局その後も何度かオーバースピードからドリフト状態になり、コースアウトしかけながらなんとかゴール。かなりタイムロスしたようだ。2分12秒。ここは地元の田中選手が08秒でベスト。なんとキロ2秒近くも離されてしまった・・・反省!

 第1セクション終了。サービスへ戻り、夕食。昨年はサホロリゾートホテルでカツカレー・・・なんじゃ?そりゃ?というメニューだったが、今年は新得町の焼き肉屋さんでジンギスカン定食!あまりの旨さに思わずお代わり&肉追加!同席した中部勢があっけにとられていた。さらに宿へのバスを待っている間に、スタート地点前の「沢井商店」前で座り込んで酒盛りしている一団が・・・おお!我がサービス隊の面々ではないか!今回、サービスは札幌のセキネン関根さんのクラブ員にお願いした。みんなラリーが大好き!なのかな?サービスでも大盛り上がりで楽しそう。北海道に転勤になったらセキネン関根さんのクラブに入ろう!と思った。さて、沢井商店の話に戻るが、露天でとうもろこし、カキや花咲ガニを焼いたり湯がいたり、それを肴に酒が進む進む・・・。酔っぱらいのサービス隊を置き去りにして宿に向かった。
 ニュース&天気予報:台風22号の影響で関東では甚大な被害が報告されています。台風は今後速度を速めながら、仙台沖から東北に進路を変え、北海道上陸の可能性は低くなった模様

 第1セクション結果
 1位 田中・森 組 
 2位 アキラ・安東組
 3位 青沼・中村組
 4位 飯泉・東 組
 5位 上原・島津組

第2セクション
 10月10日(日)朝5時起床。6時にスタート地点に到着。どう考えても、昨日のSS2はベストが出たはず。田中選手とはわずか10秒差。あそこの15秒が取り戻せれば2回走るのでトップ争いに持ち込める!天気も曇りだが路面はドライ!今日は攻めよう!

SS4(ダート up&down 約3.5km:SS1と同じ)
 スタート後、明らかに昨日の走行より速い!そう感じた。路面をはずさない走り、それでいて直線スピードの乗りは昨日の比ではない!4速でアクセル全開。怖さでアクセルを戻さないように歯を食いしばりながら右足に力を込める。「これは速いぞ!」そう思ってまもなくの出来事だった。下り3.5Lを3速全開でクリアしたと思った次の瞬間・・・リアが大きく右にスライド。目の前には谷・・・フルカウンターを切るが、壊れたショックではなかなか収まらない。「ここでブレーキングしたら横転するかも・・」そう考え、フルカウンターのままアクセルをじわっと開けてやる。次の瞬間、インテはフロントが大きく右に・・つまりはリアが今度は大きく左にスライドしつつ右の林に一直線。前方からすごい勢いで木が接近してきた。グシャッ!両側の肩から前胸部に暴力的な衝撃を感じた後、林道上に跳ね返されてインテは止まった。息ができない!「ウググ~ッ・・・・」「・・・大丈夫?」「グ~オオオアアッ・・・」「おい大丈夫か?」ようやく少しずつ息が吸えるようになった。「ああ、大丈夫・・・と思う。次の車止めて~」「わかった!」 次ゼッケンの飯泉選手のマシンが停止。さらに次々ゼッケン・・・野次馬だったクルー達が今度は本気で心配している。飯泉選手の助手席に乗せられ次チェックまで進む。オフィシャルからドクターへ無線が飛び、10分後にドクターが到着。少しほっとしつつ、あ、俺もドクターだったと改めて思い出した。胸の真ん中が痛い。深呼吸ができない。咳が痛くてできない。おそらく120km/hくらいの速さで激突しているはずである。いわゆる高エネルギー外傷だ。心臓や大血管を精密検査しなければ!と自分ながらに考えるのだが、北海道の医師は思ったように反応しない。「隣町に病院があるのでとりあえず本部に戻ってから行ってください」

 結局、サービス隊に連れられて清水赤十字病院を受診した。これまたCT撮影も超音波検査もせずに胸の単純撮影のみで「大丈夫ですね」と言われた。湿布だけもらってゴール地点に戻った。
 1位を走っていた田中選手はマシントラブルでリタイヤ。代わってトップに立った飯泉選手はクラッシュ&リタイヤ。そして地元の青沼選手が昨年に続き2連覇。アキラが2位に入賞した。
 帰りの千歳空港。胸の痛みと首の痛みに耐えつつ、5色丼を食べた。いくら、うに、かに、鮭、ほたて、いか・・・旨かった。でもこれって6色じゃん!
 現在、インテは札幌の板金屋さんに入庫中。結構な金額がかかりそうであり、あまりに高額な修理費用が必要であるようならば、別のDC5を購入してパーツを移植した方が良いかもしれない・・とのことで、現在DC5を探している。誰か!DC5の安いのがあったら教えて下さ~い!

 次戦は最終戦大分です。インテが使えないので、ひえつきの時に借りたEK4シビックをレンタルすることにしました。頑張ってきます。

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