ツール・ド・九州2003 イン 七山

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全日本ラリー選手権参戦レポート

2003年全日本ラリー選手権(2輪駆動部門)
第2戦佐賀 ツールド・九州 2003年4月26日~27日

 待ちに待ったシーズン開幕です。
 今期のシリーズは3月から開幕ですが、私たちは第2戦の佐賀からのエントリーを予定していました。
 昨シーズンが終わったときから今期マシンをルノーに決め、上原さんは年末からもう、
練習車としてフィアットを準備し、左ハンドル車の練習を始めていました。
 ルノーはグループN仕様となっており、注目度もさることながら、インターラリー(国際格式)の参戦も視野に入れたもので、私たちは昨シーズンを終えたときから今期を楽しみにしていました。
 ・・・・・・が!!
 開幕1週間前に上原さんから突然のメール。
 「ルノー届かないらしいよ。代車もないんだって。・・・・・・どうするよ?」
 ええええ!あと1週間と言ったって、関東から佐賀に遠征するということは、水曜に関東を出るフェリーに乗せなければならず、実質あと3日ほどしかないということになる。
 「なんで?いや、それよりどうするの?ねえ、どうする?」
 メールの返事がこない。電話しても上原さんは出ない。
 状況が見えないまま、募る不安に負け、その日関東の地区戦に出ていたダンナに電話。
 「ちょっと聞いてよっ!信じられる!?後1週間なのにっ!どうすればいいって言うんね!!ねえちょっと、どう思う!?」
 ラリー中のダンナに言っても詮無いことなのですが、私の剣幕に押されたらしく、
 「わ、わかった。最悪の場合、俺のインテで出ていいよ・・」
 「えー、本当?でも・・・本当にいいの?上原さんよ?本当にいい?悪いね・・・」
 「いいよ、最悪の場合はね・・・」
 すかさず上原さんに電話。
 「カブト(ダンナのあだ名)のインテ、借りていいって!」
 あっという間に、その「最悪の場合」は決定してしまいました(笑)。

 さて、無事に(?)レキの朝を向かえ、私と上原さんは4時に家を出て、朝イチの飛行機で福岡へ。ここでインテを受け取ろうとしたら・・・フェリーが着いてない!?
 船のエンジントラブルという不吉な理由で、まだインテは海の上。
 慌てて福岡のショップにインプレッサを借りて、一路佐賀へ。
 うーん・・・結局また、ぶっつけ本番でマシンに乗るのか・・・
 ま、いつものことだけどね(笑)

【26日(土) 本番1日目(第1レグ)】
 去年のシーズンが終わって、実に半年近く経っています。久しぶりのラリー会場は、見知った顔が揃っていて、わくわくしてきます。
 「あれ?車はどれ?」
 「あれ、今年はダンナと組むと?」
 「あら、昨日の車は何やったん?」
 あちこちで車のことを聞かれ、急遽ダンナの車を借りたことを説明すると、
 「うわー、よりによって上原に貸すっちゃろ?よくダンナ承知したね」
 「お前、あんまり無茶なことしよったら離婚されるぞ」
 上原さん、めちゃくちゃ言われてますが(笑)

 確かに、「人の車でも遠慮なく踏み、遠慮なく壊す」ドライバーである上原さんですから、みんなの言うことも間違いではないのですが(笑)
 しかしそれは、「人の車だろうと何だろうと、とにかく速い!」ということなのだと自分に言い聞かせます。そう、決して悪名だけが高いわけではない・・・はず・・・・。
 ちらりと「インテ借りたの悪かったかな」と頭によぎりますが、まあ来てしまったので仕方なし。
 こうなったら、できることは優勝して帰ることだけ!!がんばるぞ!

【SS1】2.26km
 SSスタートまでに車の動きを確かめようとする上原さん。すると、
 「ううむ・・・」
 「なに?なんかあった?」
 「このマシンには問題があるな・・・」
 「まあ、カブトもまだ煮詰めきってないしね、今回急だったし」
 「このマシンには、駆動系に問題があるっ!」
 「いえ、この車はもともとFFなんですが(涙)」
 どーーーーも、FFに納得いかない上原さん(笑)
 インテは最初からFFなんですっ!

 そんなこんなでSS1。
 ここは毎年使う林道です。ノートもばっちり、道も覚えている。
 初めて乗るインテだから、最初がこの林道というのは助かります。
 気合を入れて・・・スタート!
 何シーズンもかけて走ってきた林道なので、マシンの違いがとてもよくわかります。
 とても安定してるし、とても素直!!昨年のマシンが「パチンコ玉走法」を誇るアルテッツァだっただけに、驚異的な素直さです。
 タイムとしてはトップの3秒落ちですが、初めて乗ったマシンの初めてのSSですから、このくらいならまだいけるでしょう・・・上原さんにも余裕あったし。
 次、次!!

【SS2】2.51km
 スタート前に、上原さんが悩んでいます。
 「どしたん?」
 「うーん・・・職場とかにさ。」
 ん?こんなときに仕事の悩みか?
 「うん、職場とかに?」
 「自分のことを話さん奴っておるやろ?飲んだりしてもさ、本音をなかなか言わんでさ」
 「うん、おるね。」
 「それ、こいつ。」(と、インテを指す)
 「は??」
 「こいつが本音を言わんっちゃん!」
 「ええと・・・言いたいことはわかるよ(笑)でも、この車はこれが本音なんじゃない?」
 「違うっ!お前は誰だ、名を名乗れ!!」(とインテに詰め寄る)
 「だから、インテだってのに・・・」

 とにかく、かなり限界の高そうなマシンなので、次はもう少し踏んでみてもいいのでは?という話になり、SS2へ。
 ううむ・・・やはりこのマシン、限界がかなり高い!
 昨年はギャラリーコーナーを、あさっての方向を向きながら走り抜きましたが、今年はかなり素直な走り。
 ううむ・・・これが普通なのかもしれない。
 ゴールしてみると、前ゼッケンの岡田選手とわずかな差。今回岡田選手はかなり調子がいいので、岡田選手のタイムにつけていれば、いいとこにいるということだ。
 初めて乗ったインテでこれなら、いいんじゃない(喜)!?

【SS3】2.07km
 もう少し踏んでいけそうだという感触があったので、2人とも結構攻めのテンション。おまけにここは上原さんの得意な(?)コース。いよいよインテが本音を出すか?
 さっきよりさらに踏んでいく上原さん。いい感じ!速い!と、思ったら、今までよりペースがあがったせいで、左コーナーでペースノート読むのが遅れた!少しの遅れでも、これだけペースがあがっているとノートの遅れは致命的だ。インテがまっすぐに外に向かっていく!や、やばい!こ、これはっ・・・・もうだめかも!と思った瞬間に、頭がインに向いた。こ、こわい・・・FFって、そうだ、こういう走りだったんだなあ・・・
 と懐かしく思うのは、私がすっかり上原さんに毒されたせいでしょうか(笑)
 ここでのタイムは残念ながら前ゼッケンに僅差で負けています。森選手には2.9秒も。
 あれさえなければ、もう少しいいとこいけたのに・・・!
 「ごめん、ペースが上がってノート読むのが遅れた」
 「俺もあそこはヒヤッとしたよ・・・あー、FFってこえー」
 上原さんはインテがFFであることに、まだぶつぶつ言っています(笑)

【SS4】2.79km
 このSS4でレグ1のセクション1は終わりです。しっかりがんばって、無事にサービスまでたどり着くぞ!
 少しずつペースを上げて、インテの癖を引き出そうとする上原さん。いつもならまだ踏んでいくところを、どこか遠慮している感じ。
 なんだかインテと上原さんがお互いを探り合っている感じで、なんとも言えない緊張感が漂っています(笑)
 私ももう読み上げが遅れるわけにはいかない。ものすごい緊張感の中、ゴール!
 ぷはー、なんだ、この緊張感は!?

 サービスでタイヤ交換とエア調整。私は他クルーのタイムを聞きに駈けずりまわりますが、みんなテントの中に入ってしまって、全車のタイムがそろいません。
 ただ、上位陣のタイムを聞いた感じでは、6位、7位、そのくらいか!?
 まだ3分の1終わったところなので、これから数台いなくなるとして、入賞圏内・・・っていうか、何かあるとしたら、うちに決まってる!?
 しかも後半はロングSSが多い。
 ううむ・・・こういう精神的なサバイバルって、2人とも苦手・・・

【SS5】4km
 SS2のギャラリーステージと同じ林道ですが、さっきよりスタート地点がずっと下の方になっていて、距離が長くなっています。
 このタイヤとエアでどう変わるか?
 うん、さっきよりアンダー気味って感じだけど・・・な、なんか怖いかも・・・
 さっきまでとラインが変わり、何度もガードレールが迫ってくるのが分かる。だ、だめ!
 前見るのが怖い!歯を食いしばって足を踏ん張って、必死でノートを読みあげる。今までここまで怖いなんて思ったことなかったけど・・・今わかった。限界高い車って、パチンコ玉走法より怖いのねええええ(涙)!

 しかし、岡田選手には約3秒の遅れ。えー?あんなに踏んでたのに?
 全体的にロスしてたのかな。ううむ・・・・

【SS6】7.02kmロングSS
 今回の勝負どころとなるロングSS。ここで離されると、かなりきつい展開になります。
 ナビとしても、ノートの読み遅れやロストがあると、シビアにタイムに影響してしまうので、かなり緊張します。
 よっし・・・・スタート!
 上原さんも踏みまくっています。インテも速い!
 ストレートエンドまでの踏みっぷりもすごいけど、このインテ、速すぎ!
 こ、こ、こわいいいいい!
 なんとか無事にゴール!しかしここでも、今ひとつタイムふるわず。
 どうして?結構いいと思ったのに・・・・むむむ、難しい。

【SS7】2.97km
 ここは一昨年に、私の前の上原さんのナビであった枝光氏(現・岡田選手のナビ)が、「トリプルコーション!(最上級の注意が必要な地点という意味ですね)」と3回読み上げても上原さんが減速せず、誰もが「あれは刺さるやろ」というコーナーを猛スピードで突っ込んだあげくにスピンして、そのままバックでコーナーを抜けていったという伝説の林道であります。
 そのときの名言。
 「トリプルコーションって、3回読むことなのか!?」
 あたしはトリプルコーションを3回読むのは嫌よ・・・。

 相変わらず速いインテ。セクション2に入ってからのタイムが、今ひとつ体感に伴わないので、どこまでいっていいのか分からない。
 と思ったら、ストレートエンドでインテが思わぬ行動に!!
 どうやら、上原さんに散々「こいつの本音が見えない」と言われ続けたせいなのか、突然インテが、「俺、実はこんなこともできるよ!」とばかりに、ABSを働かせるではありませんか!
 こ、こええええ!なんじゃこれえええ!
 2人ともかなりヒヤッとしましたが、なんとか挙動は回復。
 こ、こええ。なんだあれ・・・・と思ったのも束の間、3Rの右コーナーを抜けたところに泥が!!あっ!!と思うまもなく、インテはそのままアウト側へ。
 ガンッという衝撃と共に側溝に落ちるのが分かります。「ああ、これはもうだめか?」と思ったら、またもや何者かにはじかれて側溝の外に!
 相変わらず側溝からの脱出は見事です(笑)
 「踏んで踏んでっ!いけるっ!がんばってっ!次、5L!」
 叫ぶ私の声の合間に、
 「すまん・・・カブト・・・・」
 どうやら私のダンナに謝っている模様です(笑)

 側溝に落ちたためにアームをやられたのか、それからは車がフラフラして、なんとかゴールにたどり着くのがやっとでした。
 タイムは・・・だめだ。でも仕方ない、それよりこのアシをどうにかしないと!!

【SS8】4.05km
 ここまでの移動の間に、給油のためのレスコンが入りました。
 ここで時間を稼いで、早めにプール地点へ向かい、急いでタイヤを外し、アライメント調整を行います。薄暗くなってくる中、気ばかり焦ってしまいます。
 まだ全然調整できてないのに、時間がきてしまい、そのままスタート。
 だめだ、頭も入っていかないし、直線もまっすぐ走らない。危なすぎる!
 なんとかゴールまで行き、そこでリタイヤ届を出しました。

 ああ・・・・なんてあっけなかったんだろう。
 万全な体勢でラリーに臨んでリタイヤしたときとは、また違う寂しさです。
 「ああ・・・なんか不完全燃焼やった」
 「本当・・・こんな気持ちでリタイヤしたの初めて。」
 くっそう・・・・この怒り!この悔しさを、次のマシンでぶつけるっ!

 ということで、翌日の帰り道にはもう、次期マシンが決定しておりました(笑)
 この不完全燃焼感は、好きなマシンで走ることでしかもう、ぬぐえません。
 満場一致(と言っても2人ですが(笑))で、FDに決定っ!!
 「もーあれよ!やっぱりFRでガンガンいこうぜっ!上原さんはFRよっ!」
 「おし!じゃー、今から電話する。・・・もしもし?FDいくらで売ってくれる?」

 いつも私たちはこんな感じです(笑)

 ちなみにおまけですが。
 リタイヤ後、ゴール地点に移動する途中。
 「カブトに電話しようぜっ!」「おおっ、いいね!」(全然自覚がない2人)
 プルルルル・・・・・ガチャ。
 「あ、もしもし?あたし。あのね・・・ごめんね・・・速報です」
 「え!?何?もしかして、リタイヤ!?」
 「うん・・・あのね・・・リタイヤなの。車の状況、聞きたい・・・?」
 「えっ・・・・ひ、ひどいの?いや、聞かない方がいい?・・・いや、やっぱりちょっとだけ聞いておこうかな・・・ど、どっちがいいのかな・・・?どうしようかな・・・」

 車の持ち主ながら、なんと弱気なのでしょう(涙)
 こんな気持ちにさせてしまうなんて、やっぱり私はひどいツマなのかもしれません。

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