2015年東日本選手権第3戦「南信州ラリーin阿南町、天龍村、売木村」の参戦レポートです。

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全日本ラリー選手権参戦レポート

全日本ラリー選手権参戦レポート2015

2015年東日本選手権第3戦「南信州ラリーin阿南町、天龍村、売木村」
5月9日・10日 長野県伊奈地方

8日夜22時
1年ぶりのラリー出場である。はやる気持ちを抑えつつ、私は仕事場の川越市を後にした。まずは長年一緒にラリーをしてきたNavigator、飯田有希子を迎えにさいたま市に向かう。今回は2015年から全日本選手権で使用するマシン・・HONDA CIVIC TypeR Euroが未完成で、まだ出場できないことと、1年間ラリーから離れていたため、ドライバーとナビゲーターの連携が上手くいくかどうかの確認のため出場となった。
今回のマシンは、ナビの夫でもある、元全日本ラリードライバー、飯田洋二氏からレンタルしたランサーエボリューションVIIである。まあ、ナプロさんの2006年の参戦記を見ていただければわかるが、このランサー、もともとは私のマシンだった奴なのだ。現在は色も赤に塗られ、当時の面影はほとんど無い。
スタートは長野県飯田市から約30km程・・・山の中の村(失礼、町だ)、阿南町をスタート&ゴールとするオール舗装路のラリーである。さいたま市からは中央道で約4−5時間というところか???
ん?まだ22時半だ。6時集合だから、3時間程眠れるじゃないか・・・
飯田家に着いた私は、「3時間眠って、2時に出発しよう!」と言い放ち、夢の中に深く落ちていった・・・・・

2時
むむっ!自動ドアの向こうに誰かいる!人の気配が・・・敵か?私は手に持った銃を構えた。その途端にドアが開き、3人の男がなだれ込んできた。ナイフを手にしているが、飛び道具は持って無いようだ。「Freeze!」なぜか英語で叫んだ。2番目の男が、英語が理解できないのか飛びかかってきた。バン!と鳴るはずの銃からピロロッ!という音がし、アメリカ、イギリス、カナダ、日本、ブラジル等々の旗が発射される。指を離すと旗は銃に戻った。「○×・・$#$$%&!!!」男は俺の胸ぐらを掴んで、わからない言葉で叫ぶ。どうやら自分の国の国旗が出てこないことを怒っているようだ。「I’m sorry but this toy is not mine.」流ちょうな英語で説得に走る。そのとき、バタッと扉が開く。おかしい、さっきは自動ドアだったのに、今は普通のドアが開いた・・「上原さん!」むむっ・・・どこかで聞いたことのある懐かしい声が俺を呼ぶ。「2時よ。出発するんやろ?」
目が覚めた・・・

5時
俺はランサーで中央道を疾走していた。助手席ではナビ姫(もはや姫という歳ではなくなってきているのだが・・)が口を開けて眠っている。諏訪SAを通過し、いよいよ伊奈路に入る。さて、6時に間に合うかな?たしか受付は6時〜7時だったよな・・・右足に力が入る。エボVIIは快調だ。

6時半
スタート地点に到着。レキ(試走)準備を行い、山に向かって出発。このラリーで走るSS(スペシャルステージ:タイム測定区間)林道をゆっくり2回試走出来るのだ。この間に、ペースノートと呼ばれる、記録を書いていく。要するに全てのコーナーの曲がり方を数字で表すと共に、路面の状況や次のコーナーまでの距離を書き入れて行くのだ。本番はナビがこれを読み、ドライバーは霧が出ようが、先が見えなかろうが、ノートを信用して走るのである。
今回のラリーのSSは全部で6ヶ所を2回ずつ走行。全部で12本のタイムトライアル区間で勝負が決まる。全日本と異なるのは、SSの1本当たりの距離が短いことくらいだろうか・・・
あ、ラリーの進み方を詳しく知りたい方は、http://www.jrca.gr.jpをご覧下さい。

12時
スタートは16時なので、暇だ。夜通し運転してきたので、仮眠をしよう。。。今度は幸せな夢を見れるように・・・・

15時
開会式。阿南町長のあいさつ。この町にふるさと納税すると米が送られてくるそうだ。そうか、ラリーの協賛やバックアップに協力してくれる自治体にふるさと納税すれば良いのか・・・と良い案が浮かんだ。

16時
いよいよスタート。今回は、全日本選手と認められたこともあり、ゼッケンは3という良い番号を頂いた。通常、速いと思われる順でゼッケンをくれる。こりゃ期待に添わねば・・・

17時
SS1に到着。最初は約3.5kmの舗装路。途中、10mほど未舗装部分があるが、あっという間に過ぎる。まずは回りの様子見をしつつ、ペースノート走行の練習だ。
5・4・3・2・1、スタート。まずは4つめくらいのコーナーに落とし穴が・・ペースノートでは普通に2R(ハンドルを180°程度回して曲がるコーナー)だったが、実際に行くと急に回り込んでおり、2→1Rという感じ。しかもアウトに膨らむとガードレールの角が待っている。ランサーはアンダーステアを出し、膨らみながらも曲がった。徐々に調子が上がってくる。ダート路面もクリア。下りに入った。ナビの声が「クレスト80」と伝える。クレストは頂点で先が見えない部位。80はその先は見えないけど80m直線・・・迷わず3速全開踏みっきりでクレストへ。おおっ!ランサーはWRCばりのジャンプ(と自分たちは感じた)をし、着地。う〜ん、30mは飛んだな・・・
ところが、後半も押し迫った頃から、ボンネットから白い煙が・・・ 頭の中には、いつか火を出したルノーのエンジンルームが思い出されつつ、「ゴールまであと少しだから行く!」と伝える。 SSゴール。オフィシャルに「ベストタイムです!」と言われても素直には喜べず・・・約100m先に側道を見つけて停車。消火器を構えるナビ姫・・・ボンネットを開けると、ラジエターに穴が開いて蒸気がモワ〜ッ!!!ラジエター液が道路上にドバドバ・・・なんとラリー開始後わずか30分そこそこでリタイヤとなった。
側道のランサーの前にはゼッケン1番のインプレッサが、4つめのコーナーでガードレールにぶつかり、これまたラジエターを破損しリタイヤ。

18時
リタイヤ届けを出してからが大変だった。川の水をペットボトルで汲み、ラジエターに入れてエンジンをかけ、発進。下り坂はエンジンを切り、惰性で下る。再び上りの前で、ラジエターに水補給。エンジンスタート。登ったら切って惰性走行・・・スタート&ゴール地点まで1時間かけて、なんとかたどり着いた。

20時
他のチームのサービス員の方々のおかげで、ラジエターが復活。穴は鉛板をバーナーで溶かして埋めた。なにかの衝撃で、クーリングファンの羽が折れ、ラジエターを引っ掻いて穴が・・・羽は6枚中4枚しか残ってなかった。

22時
入浴後、宿の食堂でやけ酒・・・Beerを6本程度開けただろうか?途中からよく覚えていないが・・だいぶ迷惑をかけたらしいよ。

朝9時
目覚めたら9時だった。部屋には誰もいなかった。ナビ姫も旦那も子も・・駐車場で待つ・・というメールだけがあったので、頭痛と吐き気を催しつつ、帰り支度して駐車場へ。
ナビ旦那がエンジン&ラジエターを点検していた。この男・・・A型だな・・と思いつつ、「どう?」
「大丈夫みたいですね」
「高速で帰れそう?」
「大丈夫でしょう・・・」

11時半
諏訪SAで昼飯。ラジエター液が漏れている・・・一旦諏訪ICで降りて、オートバックスでラジエター漏れ止めを購入することにした。

13時
漏れは止まった。再び中央道で一路埼玉へ・・・

16時
川越に着いた。 SS1は全車中のベストタイムだった。ゼッケン2が優勝したようだが、3.5kmで4秒離した。ん〜・・・残念な気持ち半分、1年ぶりでもやれるな・・という安堵感半分だ。
もう1回どこかで練習したいな・・・次はどこにするか????

全日本戦は8月の群馬から出場予定です。ご期待下さい。

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