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全日本ラリー選手権参戦レポート

全日本ラリー選手権参戦レポート2009

参戦情報2009.9

ドライバー参戦レポート

2009.1.30-31 BICC Rally of TSUMAGOI 2009
場所:群馬県嬬恋村周辺  距離:200km
天気:雨、ときどき小雪、曇りもあったなあ  路面:雪&氷、でも舗装が…

人生、山あり谷あり・・長いラリー人生にもいろんな事情が起こって、中断、あるいはリタイヤを余儀なくされることもあるんですね。
2年半前、夜の奥飛騨。私の乗ったランエボはタイロッド破損によって、コーナーを曲がれず、土手に乗り上げ転倒。リタイヤとなりました。その後、身の回りに次々起こる諸事情によって、金欠、暇なし、どうしようも無くなり、ラリー界から身を引いた私でした。
しかし! その後、何をしても面白くなく、戦いの場を求めてトライアスロンなんかもやってみましたが満足感は得られず、結局、ここに戻ってきました。
2009年、私は再びラリーを始めます。

とはいうものの、2年以上のブランクは大きく、普通の山道でも60km/hr以上出すのが怖くなっていた私…まずは長時間運転したくなるようなマシンを選ぶこと…
現在の国内ラリーはエンジンの排気量で以下の5つのクラスに分かれています。

JN4 2000cc超
JN3 1600ccを超え2000cc以下
JN2 1500ccを超え1600cc以下
JN1.5(スーパー1500) 1400ccを超え1500cc以下の2WD車
JN1 1400cc以下

JN4が最も速い、インプレッサやランサークラスで、3年前に私が参加していたクラスですが、個人の参加としては金がかかり過ぎるのと、トップ争いに絡むのが大変…JN2は参加車両がFFと4WD混走なので、舗装イベントはFFの勝ち、ダートイベントは4WDの勝ちと決まってしまうのが面白くなさそう…JN1.5は最近人気が出て来たクラスで、参加車両もいろいろな選択肢があると思ったのですが、どうやら紳士協定(??)とやらで現行車両での参加が望まれるらしいです。せっかく昔のCRXで出ようかと思ったのに…で、JN1かJN3かで迷うことになったのですが、JN3の方が平均年齢が高い…(笑)それで決めましたJN3クラス。マシン選びはいろいろ考えましたよ~!でも車両製作長&チーム監督の大桃さんが「上原さん、何乗っても大丈夫だよ」という一言。じゃあ、他人と違うマシンで…

今年のマシンは、これだ!!!
わかりませんか??まあ、リアだけでは…ねえ。

はい、これです
ちょっと中古です。本当に戦闘力あったら、新型にします。

で、マシンは決めたけど、ドライバーのリハビリが…ということで、出場してきましたスノーラリー。マシンはさすがにノーマルなFFでは出れないので、かぶと(ナビの夫)に売却したエボ7をレンタルして出場しました。しかし、周囲からは、「長いブランクの後の復帰戦が、どうしてスノー?」と疑問が…それはね、そこにちょうど良い日程でラリーがあったから…(笑)

1/30金曜日、早朝から群馬に向けて出発。眠いぞ。。。。久しぶりにナビ姫といろいろな話を咲かせながら鬼押しハイウェイを走行していると、右の道脇に横転している車が見えます。ほーっ、派手に行ってますな…と思ったとたん、前を走行していたサービスカーが突然滑って横を向く。まあ、運転しているのは往年の全日本ラリーチャンピオン大桃千明さん。なんとかするだろうなと思い、ブレーキを踏んでみた…とたんにエボ7も滑ろうとします。しかもサービスカーはついにこっちを向くし。このままでは正面衝突すると思い、とっさにアクセルで駆動をかけつつ路肩の雪へ入りました。スタッドレスタイヤって氷はダメだけど雪はさすがです。無事クリア。横転車に乗っていた人もモソモソ出て来て怪我はなさそう。そしてスタート地点、軽井沢グリーンプラザホテルに到着。
午前中から午後にかけてレッキと呼ばれる試走。ここでようやく雪道の感じを体験します。ダートと違って、マシンの挙動がつかめません。こりゃ難しいわ。

スタート前、いろいろな人たちがやって来て、「あ~あ、懲りないでまたリタイヤしに来たか~」「オフィシャルに迷惑かけるのやめなさいよ」……でもみんな楽しそうに忠告していく。要するに、みんな俺に忠告できるのが嬉しいんだな。そうか、みんな俺のファンなんだ…という結論に至りました。(笑)

SS1 4.151km
2年半ぶりの復帰最初のSSが、何故ナイトでスノー?何故直線180km/hr??と思いつつスタート。路面はアスファルト、氷、氷の上に雪が乗っている…と変幻自在。予測できないマシンの動きに、ドライバーは後手後手の操作しかできません。来ました長い直線。わだち部分のタイヤ2本分だけアスファルトむき出し、その横は氷、路肩は雪だまり…やめた。140までしか出さない!心に決めました。
2’53”9のタイムでゴール。世界の新井選手のタイムを聞くと、2‘16“だとか。「……」さらに、世界の新井を4秒上回った選手がいるとか…「……」ラリーって…たのしい…な…っと。。。。。。。

SS2 2.466km
今回のラリー中、最も距離が短いのがここ。でも一番危険なコースなのもここだ!長年の多数のリタイヤの経験が私に教える。。最初からベタ落とし…走っている自分が「お、遅い!!」と思うんだからよっぽどです。でも左側が谷になってて、アクセル踏むとそっちに向かいそうで…以前の私ならここでガツンと踏んだのでしょうが、まだブランク明けて2本目のSS…御勘弁ください。一番危険なのはゴール手前の右&左のクランク。これまたべたべた落としてクリア。あとは直線。全開!って、ゴールした後に、右へ左へ…と、止まらねえ…ぎりぎりオフィシャル車の隣に停止。オフィシャルの表情も多少強ばっていたような…

これで1日目は終了。まずは前哨戦ってとこなのでしょうが、我々にとってはもうお腹いっぱい!って感じでした。ま、ひとっぷろ浴びてビール飲んで寝よ!
と思ったら、大桃社長の部屋で中国のお酒(アルコール58%!)とワインとビールでちょっと酔っぱらい~…

2日目。当然のごとく2日酔い。ナビ姫は朝飯食えず。私はパン2ヶ、コーンポタージュ、小龍包2ヶ、野菜炒め、野菜サラダてんこ盛り、野菜ジュース2杯にコーヒー…う~む美味、美味。。。。。
表は雨・・あら、雨降って道凍ると申します・・・きゃ~!!!雪もろくに走ってないのに、氷ってどうするんだ?

SS3 6.755km
ここは直線180km/h出るコースの逆走。あんなとこ凍ってたらやばいんじゃん???心配してると、案の定、ヤバかった人がいて、その後ろの人もヤバい仲間になったらしく、キャンセル!
でもここもう一度走るんだよね・・・・

SS4 6.228km
最も標高の高いところの林道らしく、昨夜の雨も、ここは雪だった様子。おお、ようやくスノーラリーが体験できるじゃんか。ついつい右足に力が・・でもエボは右に左に向かうのみ。他の人が走りやすくなるために道幅を広げつつ、他人の2倍くらいの距離を走行していくと、途中で前ゼッケンが「止まれ」合図を出しています。どうやら前の方の車がスタックして道を塞いだらしく・・それにしても雪道ってスピード出すと滑るなあ・・・
タイムは救済タイムで6’11”6・・これって実際に走ったタイムより良いかも・・・

SS5 2.33km
スタート後最初の右コーナーでアウト側の雪だまりへ・・・あららら・・バックギアでなんとか脱出。その後も右へ左へ道幅いっぱい・・か、それ以上を使ってノロノロと進んでいきます。いやあ、曲がんねえなあ。特にスピードが遅いと全然頭がインを向いてくれなくて、アウトへはらんでいきます。あまりに遅いので、ちょっとサイドを当ててみたら、気持ちよくクルッと・・・おお!こりゃええわい。
後半部分は比較的ハイスピードコース。3速&4速で走ります。とある高速左コーナー・・・4速で斜めを向いたまま抜けたら、ちょっと向きが変わり過ぎ、直線の左側の路肩の雪を掃除しながら、車は頭を右に向けたり左に向けたり・・でも進んでいるのでとりあえずアクセルは踏んでました・・・が!約50m先から確実に我々に近づいてきている物体が・・・コンクリート製の電柱!周囲は畑ばかりで誰かが電気を必要としている環境ではないのですが、なんでこんなとこに電柱??そう思っている間にもエボは、往年のマラソン選手宗兄弟のように確実に頭を左右に振りながら電柱へ。あと3m。エボは最後に頭を右に振りながら脱出姿勢。ここや!アクセルオン!当たったらごめん!かぶと!
その瞬間私に神が降臨しました。すばらしいステアワークと絶妙なアクセリングによって、エボは道に復帰しゴール。調子づいた私とナビ姫は大騒ぎ!思い出した。だいたい毎戦どこかで神懸かりなコーナーリングが1ヶ所はある。たいていギャラリーも誰も見てない所だから、私とナビ姫しか生き証人はいないのだが・・・まあ、日本全国のナビが「お前の横は生命保険を1億円くらいかけてからじゃないと・・・」と口を揃えるけれど、横に一度でも乗ったナビは「楽しかった~!また声かけてね」と言うのは、みんな神を見るからだな。 タイムは2’50”9って、そうとう遅いな~。。

SS6 1.54km
ここはスノー&氷上サーキットでギャラリーステージなのですが、雨と暖冬で雪不足。キャンセルになってしまいました。でもぼたん鍋サービスがあって、おいしかった~。。

SS7 2.33km:SS5と同じ
今度こそ第1コーナーで刺さらないように気をつけて・・初めの方の低速区間は向きを変えるためにサイドを使いまくり・・・おお、さっきより確実に速いぞ!ってか、さっきが遅過ぎですから・・m(..)m
後半のハイスピードセクションもさっきより慎重にクリア。今度は神も不要でした。無事にゴール。2’25”3・・さっきより25秒もアップした。こりゃ素人レベルだわ。

SS8 1.54km
またまたサーキット。キャンセル。

SS9 6.755km:SS3と同じ
さてさて180km/hのストレートをどう走るか??朝の状態よりも雨で雪や氷は融けてるみたい・・轍部分はウェット舗装か?でも轍外したら氷だろうなあ・・ 予想通り、轍は完全にアスファルト路面。スタッドレスってウェット舗装って結構滑るのね。
とある左コーナー、路面に雪が残っているコーナー、やっぱり振り過ぎてイン側の雪だまりへGO・・こんどは雪だまりに刺さったままウンともスンとも動きません。あらら・・後ろの車を停めるため、1コーナー手前まで急ぎ、三角停止板を出します。2台が無事通過した時点で後続のスタートが止められ、オフィシャルが上がってきました。
「自走できるだろ?」「はい」「んじゃ乗って。後ろに引っ張るから・・」 さすがランクル・・あっと言う間にエボは道の上。「じゃ、行って良いよ」 で、ゴールまでゆっくり自走。ゴールで、「途中、オフィシャルに引き出してもらったんですけど・・」「ああ、良いよ。このタイムで」 んじゃ、もっと真剣に走れば良かった・・・。

SS10 6.228km:SS4と同じ
さあ、最後のSSです。誰が初雪出場の我々イケイケ’sの完走を予想したでしょう?(いや、実際誰も完走するとは思ってなかったようで・・)ここは唯一の雪道。最後にスノーラリーらしくフィナーレを迎えられるなんて!でも滑るんだよね・・
スタート!やっぱり滑る滑る・・このタイヤ本当に雪用か?と思うほど。でもさっきよりは雪の壁に接触する回数が激減しています。おっ!チームメイトの大桃大意(社長の息子)&丸山和彦(知る人ぞ知るBRIGの社長さん)組が雪だまりに刺さってもがいています。さらにその先でこれまた知る人ぞ知る、リトルジャイアント綾部の息子、アヤベマサシ&宮城孝人組がこっちを向いて雪だまりの中・・私は快調に進み、さあ、最後の右コーナー・・4速でアクセルを踏みながら横向けたけど、予想よりアウトに膨らみました。しかもよりによって、ここはガードレールがむき出し・・・なんで雪壁無いの~?????直線なのに、エボはずっと斜めを向きながら、ガードレールまで30cmくらいを付かず離れず・・・なんとか体勢を立て直してゴール。ゴール横で観戦していたギャラリーは飛び跳ねながらの大喝采!いやあ、1ラリーで2度も神が降臨してくるなんて、嬬恋って天国に近い場所なのね??
そしてタイムは5’29”、1本目なら2位のタイムじゃん!!と喜んでいるのは我々だけですかね・・・・

ゴール後、夕方から表彰パーティ。すでに私はべろべろ・・・その後大桃社長の部屋で2次会。記憶なし。どうやら廊下で倒れて爆睡しているところを運ばれたらしいが・・・翌朝、知らない人から「あらドクター、回復速いんですね」などと声をかけられた。はて????

そんなこんなでまずは2009シーズン、完走率100%達成中!!!
また、みなさんとともに盛り上がりたいと思っております。今年もよろしくお願いいたします。

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