ナラシ運転は必要か?
みなさんは、新車を購入されたときナラシ運転はしますか? 「今のクルマはナラシなんかいらないよ」という人もいれば「いやいや、やっぱり必要だよ」という人もいます。私自身、バイクに乗ることもあってナラシには比較的気を使う方なのですが、訳あってここで立て続けに2台新車を購入することになったので、改めてナラシ運転についてリサーチしてみました。
とある日産のディーラーメカと、チューニングにも造詣の深い修理工場のチーフメカに聞いてみたのですが、二人とも口を揃えて「今のクルマにナラシはいりませんよ」ということ。そもそもなぜナラシ運転が必要なのかというと、パーツ間のクリアランスにバラつきがあったり、個々のパーツの仕上げが荒かったりで、擦れ合うパーツ同士の馴染みがとれないうちに高い負荷をかけると、焼きついてしまうことがあるからです。
しかし、20年前、30年前ならいざ知らず、今のクルマはそんな雑な造りはされていません。パーツの材質は今も着々と進化していますし、工作精度や組立精度も以前とは比べ物にならないぐらい高くなっています。前出の修理工場のチーフメカによると「確かに1000kmぐらい走ると、アタリがとれてエンジンが軽くなったりシフトフィールが良くなったりしますが、今はパーツの材質が良くなっているんで、特にナラシを意識しなくてもアタリはちゃんととれます。さすがにいきなりサーキットを走っちゃうのはマズイですけど、一般公道を走る中でナラシ運転を意識しても意味はないですね」とのこと。
また、ディーラーメカによると「ナラシを意識しすぎて、スロットルバルブを固着させて修理に入ってきたクルマもあります。都市部だと、流れにのって普通に走っていてもエンジンにとってはナラシみたいなもんですから、特に意識する必要はないですね」とのこと。私自身、ナラシ運転は新車を買ったときの儀式のように捕らえていましたから、ちょっと寂しい気もしますが、時代は変わったんですね。
ただし、両メカニックともにオイル交換には気を使った方がいいということでした。ディーラーメカは1000km走行時に1度エンジンオイルを交換することを推奨。修理工場のチーフメカは、エンジンオイルの交換サイクルは最初から5000kmサイクルで構わないが、A/Tを含むミッションオイルとデフオイルは1万km走行時に1度交換するように推奨していました。
(2001年7月17日)