今年はバイクのレースが面白い
突然ですが、みなさんバイクのレースに興味はありますか? 4輪のF1に相当するロードレース世界選手権(通称:世界GP)というのが世界各国を転戦しながら年間16戦前後行われています。数年前からNHKのBS放送で生中継されていますから、ご覧になった方もいらっしゃるでしょう。排気量別にGP125、GP250、GP500の3クラスあり、F1と違って日本人選手が大活躍。昨シーズンもGP250クラスで日本人ライダーがシリーズチャンピオンを獲得しました。
その世界GPを走るのは、すべてレース専用に造られたマシンで、軽くてパワーが稼ぎやすいことからすべて2ストロークエンジンが使われていたのですが、環境問題から2ストロークエンジンは世界的に廃止の方向にありますから、レースの方もその流れを無視できず、今シーズンから最高峰のGP500クラスに限って上限990ccの4ストロークマシンの混走が認められるようになりました。500ccと990ccの排気量差は「これくらいの差があれば勝負になるだろう」という観点からつけられたもの。2ストロークエンジンはそれほど速いんです。
2ストロークの500ccマシンでは、市販車にフィードバックできる技術も限られていたため、参加するメーカーも少なく事実上日本のホンダ、ヤマハ、スズキの戦いだったのですが、4ストロークマシンが参加できるとなると前出のホンダ、ヤマハ、スズキはもちろん、日本のカワサキ、イタリアのアプリリアやドゥカティ、旧東ドイツの名門MZ、これまで世界GPとは無縁だったBMWやハーレーまで参戦を表明。F1で知られるザウバーペドロナスをはじめ、世界各国のエンジンメーカーもエンジン単体での開発・供給を発表。
エンジン形式を見ても、現段階で発表されているだけで直列2気筒、直列3気筒、直列4気筒、V型4気筒、V型5気筒、さらには冗談のようなV型8気筒など、実にバリエーション豊富。これに2ストロークの500cc勢も加わりますから、さながら”チキチキマシン猛レース”状態。非常に面白くなりそうな気配です。シーズン開幕は4月7日の鈴鹿。時間とBSチューナーがあったらぜひご覧になってみてください。
(2002年2月5日)