道交法がアレコレ変わりそうです
今開かれている通常国会に、警察庁から道路交通法の改正案が提出されそうです。その内容は、違法駐車対策や運転中の携帯電話使用に対する罰則強化など、一般ドライバーにも関わることが結構あります。手元にある資料が試案段階のもので、このまま国会に提出・可決されるとは限りませんが、一応その内容を要約してお伝えしておきましょう。
1)違法駐車対策の推進
現在、違法駐車の責任は自動車の運転者にありますが、運転者が反則金を納付せず、公訴もできない場合、その車両の使用者に対して違反金の納付を命じることができるようになります。
使用者が繰り返し違反金の納付命令を受けた場合、3ヵ月を最長として自動車の運行を停止させることができるようになります。
使用者に対して違反金の命令を受けた車両は、違反金を納付しないと車検が受けられなくなります。
違法駐車の確認を、公安委員会が指定する法人に委託することができるようになります。
2)運転者対策の推進
現行、貨物自動車は大型自動車(最大積載量5トン以上)と普通自動車(同5トン未満)に区分され、普通自動車は普通免許で運転することができますが、これを大型自動車(同6.5トン以上)、中型自動車(同3トン以上6.5トン未満)、普通自動車(同3トン未満)に細分化。それに伴って免許区分も変わり、大型免許には21歳以上・運転経験3年以上、中型免許には20歳以上・運転経験2年以上という受験資格が設けられます。
3)暴走族対策の推進
進路を妨害されたり急ブレーキを強いられるといった、具体的な被害例がない場合にも、著しく交通の危険を生じさせ、他人に迷惑を及ぼすと思われる集団暴走行為を取り締まることができるようになります。
また、正当な理由がない場合の急発進や急加速、空ぶかしに対して、これまでの単なる「禁止する」から、5万円以下の罰金が科せられるようになり、消音器不備に対する罰金も、現行の2万円以下から5万円以下に引き上げられます。
4)停滞電話等の使用等に関する罰則の見直し
現行では、携帯電話やカーナビの使用が原因で交通の危険を生じさせた場合のみ罰則の対象となりますが、改正案では運転中に携帯電話を手に持って通話したり、メールの送受信を行っただけで、5万円以下の罰金が科せられるようになります。なお、ハンズフリー装置を使用しての通話は罰則対象になりません。
5)飲酒運転対策の推進
飲酒運転の呼気検査を拒否した者に対する罰金が、現行の5万円以下から30万円以下に引き上げられます。
6)高速道路における自動二輪車の二人乗り規制の見直し
現行では、高速道路および自動車専用道路におけるオートバイの二人乗りが禁止されていますが、年齢20歳以上で、大型二輪もしくは普通二輪免許の所持歴が3年以上の者に対しては二人乗りが認められるようになります。
以上のような内容になっています。どれも至極当然の内容ですが、駐車違反の取締を民間委託した場合の地域格差や官僚の天下りが問題になりそうな印象。携帯電話に対する罰則もキツイですね。読者の皆さんの中にもバイクの好きな方がいらっしゃると思いますが、高速道路の二人乗り解禁はぜひとも実現して欲しいですね。
(2004年3月2日)