やっぱりバイクは面白い!
私がモータージャーナリストの世界に足を踏み入れたのは二輪から、というのは以前のコラムで触れたことがあると思います。1980年代の空前のバイクブームを経て、徐々に4輪雑誌の仕事にシフトし現在に至りますが、今もバイクは好きですし、バイク関係の仕事も続けています。
先日、付き合いの長いバイク雑誌の編集部から「400ccモデルを一堂に集めて対決企画をやるんだけど」というオファーがあり、0→100mの加速タイムの計測班として参加しました。
通常であれば「機材を積んでクルマで現地へ」というのが基本パターンなのですが、バイク9台を自走で運ぶ関係から、私もヘルメットを被ってバイクに。しかも、インプレ取りを予定していたライダーのひとりが体調不良でドタキャンになり、急遽インプレッションライダーの一員に変身。バイクをとっかえひっかえしながら、目的地の那須モータースポーツランドに向かいました。
記憶が定かではないのですが、バイクでサーキットを走るのは10年振りぐらい。那須モータースポーツランドを走るのは21年ぶりです。タイム計測は現役のレーシングライダーに任せて、私は9台のバイクを乗り換えながら久々のサーキット走行とインプレ取りに集中。
400ccクラスなら大したスピードの出るコースではないので、ストレートで目が回ることはありませんでしたが、最初はコーナーへのアプローチや立ち上がりもおっかなびっくり。少しずつカンを取り戻し、終盤は結構楽しんで走ることができました。
久々にバイクでサーキットを走ってみての印象は『やっぱりバイクは面白い』ということ。4輪の運転も嫌いではありませんが、マシンとライダーが一緒にバンクし、ライダーの座る位置やアクセル操作などによって曲がったり曲がらなかったりするバイクの操縦性は、4輪に比べてライダーのテクニックが占める割合が高く、コーナーでドンピシャリと決まった時の快感はこの上ないものがあります。
このメールマガジンを読まれている方の大多数は4輪ユーザーだと思いますが、機会があったらぜひバイクにも乗ってみてください。バイクは身体がむき出しの乗り物なので、自分の身を守るために周囲の状況を確認するクセが自然とついてきます。クルマの運転にも必ず役立ちますよ。
(2006年9月1日)