雑誌屋の裏話を少し・・・・
雑誌の記事や付録に「タイアップ広告」というものがあります。ある決められた製品をとりあげ、テストや取材をして一見編集ページのように仕上げた広告のことなのですが、クライアント側は普通の広告よりも費用がかかる反面、見た目が編集ページのようなので読者の目に止まる率が高いですし、編集側も制作に気は使うものの、その分収入が増えますから、一応両方がおいしい企画とされています。
私も、1ページものから10数ページ規模の別冊付録まで何度もタイアップ広告を手掛けたことがありますが、編集ページ風とはいってもあくまでも広告ですからめったなことは書けません。中でもいちばん苦慮するのが添加剤や、マイナスイオンや磁気といった類のパワーアップアイテムです。ページの構成上、説得力を高めるためにパワーチェックのグラフを載せたいところなのですが、天候やクルマの状態などもあって、思うようにパワーアップしない製品もあります。広告ですから、パワーダウンしたグラフを載せるわけには行きませんし、かといってグラフを捏造することもできませんから、そういう場合はグラフ抜きでフィーリングや燃費から記事を展開するわけです。
今回のテスト&レポートでクレのフュエルシステムをとりあげましたが、このタイアップ広告も何度か手掛けており、最近では2000年5月に20ページの別冊付録の制作に携わりました。20ページもあるとパワーチェックのページを作らなければ間が持ちません。そこで、アテインのブランド名で知られる東京・武蔵村山のKSPエンジニアリングにクルマを持ち込んでパワーチェックを行ったのですが、どのクルマでもちゃんとパワーアップしてくれました。
フュエルシステム(パワーブースター)の効きもさることながら、「これでページ構成が楽になる」と胸をなでおろしました。「雑誌に書いてあるテストレポートは信用できない」という方もおられますが、私の知る範囲では結構まじめにやってますよ。
(2001年8月2日)