タイヤは丸いとは限らない

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タイヤは丸いとは限らない 

先日、ホイールバランスについての取材で、その筋の人には良く知られたヨコハマタイヤ系の某タイヤショップに取材に行きました。持ち込んだクルマの症状は、120km/h前後でハンドルに振動が出る典型的なホイールバランスの不良だったのですが、単に外してバランスを取り直すのかと思いきや、リフトアップするとまずエンジンをかけてギヤを入れ、そのままタイヤを回して振動の出る速度域を確認。次にタイヤをゆっくり回して、前後左右斜めから回るタイヤを眺め始めました。

何をしているのか聞くと「振れを見てるんです。タイヤもホイールも100%真円とは限らないんですよ」という答え。タイヤもホイールも重さに不均一があるのと同様に、形の面でも不均一があって、それが振動の原因になっている場合は、どんなにバランスを取り直しても振動を完全に消すのは不可能だということでした。どんなタイヤ、ホイールにも多かれ少なかれ形の不均一はありますが、やはり高価な製品はその辺の精度も高く造られているということです。

このタイヤとホイールの形や重さの不均一については、ユーザーレベルではどうしようもありませんが、ユーザーの手の及ぶ範囲で振動に関係しているのが、ホイールの取り付けセンターです。純正ホイールですと、ハブ中心の凸部とホイール中央の穴のサイズがほぼ一致しているので、その部分とホイールナットのテーパーの2段階で取り付けセンターが出せるのですが、リプレイスのアルミホイールは、適合車種を広げるために中央の穴を大きくしているケースが多く、その場合はホイールナットのテーパーでしか取り付けセンターが決められません。

前出のタイヤショップのチーフメカによると、「インパクトレンチで一気に締めちゃうショップさんが結構ありますよね。アレやるとホイールとホイールナットの接触面が荒れて、余計センターが出にくくなっちゃうんですよね」とのこと。機会があったらその接触面に段付きがないかチェックしてみましょう。

最後にホイールバランスについてですが、ホイールをクルマから外さずにバランスを取る「オン・ザ・カーバランサー」というのがあります。一部では”究極のバランス”みたいな存在になっていますが、アレは安易に使うべきではないということです。というのも、振動の原因はさまざまで、ドライブシャフトやブレーキローターもその要因になり得るのですが、オン・ザ・カーバランサーはその辺もひっくるめてバランスを取ってしまうので、すべてをチェックした上で使わないとトラブルの発見を遅らせることにもなりますし、何かのメンテナンスでホイールを外した場合、元の取り付け穴に確実に戻さないと、それだけでバランスが崩れます。確かに”究極”なんですが、かなり微妙なんですね。

(2002年4月5日)

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