食器用洗剤で洗車していいの?
メールマガジンの読者の方から、ウインドーの撥水コート処理をする前の油膜落しに、食器用洗剤の「ジョイ」は使えないか、という質問が届きました。洗車に食器用洗剤を使われている方が結構いるようなので、その辺も含めて私の考えをお話したいと思います。
まずはじめに質問のケースですが、一般に油膜と呼ばれるガラス表面の汚れは、ワックスに含まれるシリコン成分や排気ガス中の油分などが付着し、それが太陽光で焼き付けられたもので、コンパウンドの類で研磨しないと落とせません。油汚れに強い「ジョイ」でも、本格的にこびりついた油膜を落とすのは難しいでしょう。
汚れや油膜が完全に落ちたキレイなガラス面は、水をかけると弾かずにペタ〜ッと膜状に貼りつきます。カーシャンプーあるいは「ジョイ」で洗ってから水をかけてみて、弾くようなら専用の油膜落クリーナーや液体コンパウンドで研磨するといいでしょう。
さて、カーシャンプーの代わりに食器用洗剤を使うことについてですが、確かに汚れや油分を分解する能力は食器用洗剤の方が強いと思います。ただ、食器用洗剤の厄介なところは泡切れが悪いんです。これは試してみれば分かりますが、カーシャンプーと食器用洗剤を同じ濃度で水に溶かし、スポンジに含ませて洗ってから同量の水で流したとき、おそらく食器用洗剤で洗った面の方がヌルヌル感が強いはずです。
ボディ表面で洗剤成分がそのまま乾燥すると、コンパウンドでの研磨が必要になるぐらいガンコなシミになってしまいますし、ボディパネルの隙間などに留まるとサビの原因になります。ヌルヌル感がなくなるのを確認しながらタップリの水で洗い流せば問題はないのですが、それも実際にやってみると結構大変です。
そういった理由で、私自身はボディ、ガラスを問わずクルマに食器用洗剤は使いませんし、他の方にお奨めもしません。しかし、そもそも洗車後の仕上がりにどこまでこだわるかは人それぞれですので、100%否定はしません。ただ、食器用洗剤を使うときは”薄め”を心がけてくださいね。
(2003年7月10日)