知らな過ぎるのも考えもの
今のクルマはすっかり丈夫になって、最低限のメンテナンスさえしていれば出先でエンコするようなことはまずなくなりました。それはそれですごくありがたいことなんですが、クルマのメカニズム的なことを何も知らなくても乗れてしまうことが、時として弊害を呼ぶこともあります。
少し前の話になりますが、某消防本部に「クルマからガソリンが流れ出した」というドライバーからの通報があり、消防隊が出動する騒ぎがありました。消防隊が駆けつけるとそのドライバーは「方向転換する際に段差に乗り上げてクルマが大きく傾いた。降りて確認するとクルマの下から液体が漏れており、これは危ないと思って通報した」とのこと。
もうお気づきの方も多いと思いますが、消防隊員がその液体の臭いを確認してみるとガソリンではなく、エアコンのドレンから流れ落ちた除湿水。消防隊員は「ガソリンじゃなくて何より」と型通りのコメントをしていたようですが、「勘弁してくれよ!」というのが正直なところだと思います。
知人と2台でつるんで走っていると、ときどきブレーキの焼けるニオイがプ〜ンと漂って来るので、信号待ちで降りて前のクルマに「何か変じゃない?」と確認してみると、サイドブレーキの警告灯が点きっ放し。ドライバー曰く「このマーク何だろう…とは思ってたんだけどね。でもさ、このマークがサイドブレーキの警告灯だなんて教習所じゃ教わってないよね!」というウソのような話もあります。
これも「知らなかった」といえば済まされてしまう、日本特有の文化の一端なのでしょうか…。
(2003年10月3日)