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全日本ラリー選手権参戦レポート

東日本ラリー選手権
第5戦 第19回南アルプスレイクサイドラリー 2006

ナビゲーター参戦レポート

2006年東日本ラリー選手権 第5戦 南アルプスレイクサイドラリー2006
2006年9月9日~10日

久しぶりのラリーです。今年のラリーも残り少なくなってきて、また上原さんのスタンプラリーが危うくなってきました。
気が付くとスタンプラリーを始めてもう5年。そろそろインター申請しないと・・・・(笑)

今回のフィールドは始めて使うエリアだそうですが、地元住民の方々の歓迎ムードに感動しました。
こんなに地元に歓迎されるラリーは、全日本ひえつきくらいです。地元に歓迎されるラリーは、必ずいいラリーになります。ここも、きっといいラリーになりそうだ!

しかし地元の歓迎ムードとは裏腹に、林道は非歓迎ムード。
特にショートのSS3本は、「ええっ!ここ本当に使うの!?」って状態です。他のクルーのドライバー達も、「ええーまじであそこ走るのー?嫌だなー」とぶつぶつ言っています。
上原さんも「今日は完走だ!完走しようっと」とすっかりテンション下がり気味。
私は『せっかくのエボ7なんだから勝ちたいなー』と内心思いますが、そろそろスタンプラリーを終わらせてもらわないと、いつまでたっても勝負に出られない・・・(笑)まあ、ロングの2本は道はいいし、そこで勝負かければいけるか!
ってことで、今日はロング2本でマージンをつくる作戦でいくことになりました。

SS1:約5.2km
よく考えたら、ラリーでエボ7に乗るのは私は始めて。先日一緒に走行会に行って隣に乗りましたが、そのときにエボ3との違いは体感済み。ノートのタイミングがかなり変わってくるのは確実です。
今日のような道は、ノートのずれがタイムに大きく影響するだけじゃなく、危険でもあります。
こりゃー気合入れていかないと!!
「んじゃいきまーす。3・・・2・・・・1・・・スタート!」
こ、こりゃ速い!!速えー!!こえー!!
さすがエボ7、トルクが違う!!エボ3だともどかしさがあったコーナー出口も、あっさりと加速していきます。当然、次のコーナーにもすぐに到達。
私たちのノートは、コーナーの間の距離は10mから記載しますが、読むのは20mからです。しかしエボ7の加速では20mなんてすぐ。今までの感覚だと読み遅れる!!
今日の林道は危険個所や注意個所も多く、ただでさえ情報が多い上原さんのノートはさらに大変なことになって、読むのが非常に忙しい!
コーナーが連続するエリアになるとさらに読むタイミングが辛くなってきます。だめだ、顔上げてコーナー確認しながら読んでたら間に合わない。読み遅れたら落ちかねないし、こうなったらGで読もう!と決め、残り4kmは顔を上げずに体にかかるGだけでノートを読みました。
今までもGで読んだことはありますが、こんなに長い距離を全てGで読んだのは始めてです。
あー、怖かったー。
ここでのタイムはベスト!2位に5秒の差をつけています。そんなにガンガン踏んだわけでもなかったのに・・・・まあ上原さんならこんなもんでしょ!
このペースで作戦通りいきますよー!!

SS2:約6.2km
この林道も道は悪くないので、踏んでいくことに。
エボ7の加速にも少し慣れてきたので、ノートを読むのも少し楽になりました。とはいえ、エボ7の加速がすごいことに変わりはなく、ちょっとでも気を抜くとタイミングがずれてしまいそうです。
集中、集中・・・!
と思っていたら、見覚えのあるランサーが止まっているではないですか!あれは今井選手だ!しばらく走ると、今度はこっちを向いて青いランサーが止まっています。うわー、もう2台もいなくなっちゃったのか・・・ゼッケンを見ようと首をひねりかけますが、いかんいかん、ノートに集中しないとうちが3台目になっちゃう!!と顔を前に戻します。
今日はサバイバルなラリーになりそうです。次のSSから道も悪くなるし、生き残らないと!!
ここでのタイムもベスト。2位には3秒の差をつけています。いい感じ、いい感じ!

SS3:約1.5km
ここは距離も短いので、ガンガン走っても抑えて走っても大きな差はつきません。安全に抑えて走りながら、前のロングで取ったマージンを少しずつ吐き出して走る予定です。
結果は、ベストの2秒落ち。よしよし、OKOK!

SS4:約1.7km
このSSも直前の公式通知により短くなりました。危険個所もあるので、ここも抑えて走ります。
ここもベストの2秒落ち。とりあえず無事に走れているのでOK。今日は生き残らないと・・・

SS5:約2.4km
1ステ最後のSSです。
「よーし、完走してサービスに戻るぞ!」「おう!」
このSSは多少起伏があり、挙動が乱れるのが心配です。上り、下りの情報をノートに盛り込み、速めに上原さんに伝えるようにします。
ところどころリアが出てひやりとする場面もありましたが、上原さんが抑えつけることを信じてひたすら次のコーナーを読みました。
なんとかゴール!ここでのタイムもベストの2秒落ち。うーん、距離が長くても短くても2秒落ちって・・・(笑)

サービスで他クルーのタイムを集計し、現在の位置を確認。
1. 上原/飯田   減点1012点
2. 石黒/吉武      1018
3. 日比/盛合      1019
4. 斉藤/神作      1021
5. 田島/ベンチャン   1023

2位とは6秒差です。2ステも同じように走れれば、金メダルもゲットできるかもしれません。
よくよく考えると、一体いつから優勝してないだろう・・・一時期は毎回表彰台に上っていたのに、気が付くとすっかりご無沙汰です。あー、金メダルほしいなー!!
と思いますが、いかんいかん、今日は完走なのだ。まずは完走、そして結果がついてくるはず!!
「よーし、2ステもがんばるぞ!」「おう!」

SS6:約5.2km(SS1と同じ)
「じゃあ、またロングはがんばって走りましょう!」「おう!」
「集中、集中ね。3・・2・・・1・・スタート!」
エボ7のスピードにも慣れてきたし、さっきよりノートは楽に読めるだろう・・・そう思ったのが甘かった。
どうやらショート3本の抑えた走りに目が慣れてしまったらしく、うまくタイミングがつかめない。
要所要所のタイトコーナーを意識するあまり、逆にタイミングが合わなくなってしまい、タイムアップができませんでした。
ベストの石黒選手から1秒落ち。これでマージンは5秒。いかん!!もっと気合入れねば!!

SS7:約6.2km(SS2と同じ)
「ごめん、差が縮まっちゃったね・・・ここがんばろう!」
「いやいや、今日は完走だから。安全に走るよ、俺は」
あらまあ・・・金メダルがちらついてもそんなことが言えるようになってしまったなんて、すっかり上原さんはオトナになってしまったようです。私は全然「このSSでガンガンいこうぜ!」モードになっていたというのに(笑)
ドラが冷静なのに、ナビがこんなではいけないわ。反省反省。
「じゃー、自分のリズムでね。がんばって完走しましょう!」
「おう!」
「3・・・2・・・1・・スタート!! 5L、50、3.5L、30・・・!」
あ、あれ?なんか速くない!?速いよ!?
完走ペースと言っていたのに、これは絶対全開ペース!
やばいって、聞いてないよ!!
追いつかれないように少し早めのペースを作って読むと、上原さんが追いついてくる。ちょっとちょっと、私に追いつかなくていいよ!!スピードに合わせて、さらに少し早めに情報を読むと、さらに上原さんのペースが上がってくる。だからー!!追いつかなくていいんだってば!!
少しペースを落としたリズムを作りたいのに、上原さんに早めに情報を与えるためにはペースダウンなんてできない。必死に読んでいると、そのうちガードレールに当たったり側溝に落ち出したりした。キターー!上原走り!!
ってか、今日は完走なんでしょ!?ちょっと落ち着いてよ!!
左が開けた右コーナーで、左リアが道から出ていきます。ザザザザザ、という草の音。そういえばドライバーズブリーフィングでオフィシャルが、「草があるように見えてその先何もないところもありますから、道の上にはいてください」って言ってたな・・こ、ここじゃありませんように!
一瞬、リアから落ちてゆくエボ7の姿が頭に浮かびます。後ろからって私、落ちたことないなあ・・・
相当怖いだろうなあ・・・や、やばい、上原走りから危険な走りになってる!!リズムには乗ってるけど、だんだん後手後手になってきてる。抑えなくては!!
しかしドラを抑えるということをやったことがない私。一体どう伝えればいいのか。
「5L、30・・・もっとペース落としても大丈夫よ~~」
大丈夫って、一体何の根拠を持って大丈夫なのか。まったく説得力なし。
そろそろドラを抑えるテクニックくらい身に付けたいものです。
なんとかゴールし、タイムは5秒差でベスト!
少しずつ縮められていたマージンをまた離しました。これで残りの3本がぐんと走りやすくなります。

SS8:約1.5km(SS3と同じ)
SS7でのマージンですっかり安心した様子の上原さん。
「これでそれぞれのSSで・・3秒ずつ負けても大丈夫だろ!」
「いや、今回のラリーはプールがないから全員のタイム聞けてないし・・他に誰がおるか分からんよ」
「他におらんやろ?大丈夫!それに今日は完走目的だからな!」
そうは言っても、目の前に金メダルがちらついたらやはりほしいもの。まあ、1ステと同じペースで走れば問題はないから大丈夫だろう。
ここも安全に走り、ベストの4秒落ち。1.5kmで4秒・・・?1ステと比べてペース落としすぎじゃない?いくらマージンがあるとはいえ、これはちょっと。少し不安になってきた。

SS9:約1.7km(SS4と同じ)
さて、あと2本。
「1ステと同じ走りにしよう。ちょっとSS8では遅れすぎたよ」
「うーん・・・1ステって、どうやって走ったっけ?」
「えー!だからー、安全でかつそこそこのタイムよ」
「わからん・・・・」
こういうとき、ナビはどうしたらいいのか本当に迷う。ドライバーの中で走りのイメージができてないのに、単純にもっと踏めとかペース上げてとか言えないし。
「とにかく、いつもと違う走りのほうが危ないよ。いつもどおりで!」
「いつもどおりだと俺、落ちるんだけど・・・」
なんと難しいことでしょう。私たちはいつも『勝つか落ちるか』の走りしかしてこなかったので、こういうときにどうしたらいいのか本気で困る。
「完走できる走りって、どうすればいいんだろうな・・・」
そんなことを言いながらスタート。ここではベストの2秒落ち。これなら大丈夫そうだ。あと1本だし、このペースならきっと守りきれる!

SS10:約2.4km(SS5と同じ)
さて、いよいよ最後のSSです。
「これならいけそうだな!」
「いやまだ分からんって。それがラリーやん。最後までいつもの走りでね!」
「だから、いつもの走りだと落ちる・・・(以下略)」
とにかく完走!!ここまできてリタイヤなんかしたら本当に悔しいので、「とにかく完走!」を合言葉にスタートを切りました。
しかし・・・あれ?あれれ?ちょっとペース落としすぎじゃない?これじゃレキの2本目状態・・・。
ノートを読む合間にペースを上げるよう言いたいけれど、ドライバーの中にあるリズムと違うものをナビだけで作り出すのは難しい。いつも勝手に暴走してるドライバーだし・・・
一体このペースでどれだけ遅れてるか。ゴール後のタイムを聞くと、1ステの同SSの5秒落ち。
ご・・・・5秒!?やばいかも!!
慌ててゼッケン4の石黒選手のタイムを聞くと、なんとかトータルで勝っているはず。
「どう?」
「石黒さんには勝ってるはず、だけど・・・オフィシャルから聞いたタイムが絶対合ってるとは限らんし、他にも速い人おるかもしれんし」
「他におらんやろ?」
「わからん・・・だっていつも追ってるシリーズじゃないけん、誰が速いかなんて分かってもないし・・」
「まーとにかく完走だ!!俺は嬉しい!!」
完走は嬉しいけど・・・でも・・・・。

ゴール会場で急いでみんなのタイムを聞きに行く。なんとなく悪い予感がして、ゼッケン6の斉藤選手のコントロールシートを見ると・・・えええ?953点!?うそ!?
慌てて電卓を叩く。だめだ、負けた・・・。
「だめだった、上原さん。ゼッケン6にひっくり返されたよ」
「えー!どれどれ・・・うわ!!最終SSで11秒もくらってる!!」
さすがにあの距離で11秒はだめだった。まあ、完全にペース落としすぎだったしな。仕方ない。

勝てるラリーで勝ちを逃すなんて、本当に悔しいです。久しぶりの完走は嬉しかったけど・・・金メダルと2位との差は大きい。どんなに速い人でも、金メダルを獲るのは本当に大変なこと。目の前に見えてきたときこそ、絶対に逃さずに獲らなきゃいけないのに。
今回はいい勉強になりました。こんなことを学ぶなんて今更ですが、私たちは今まで攻めて攻めて、というラリーばかりだったので・・・。
上原さんのスタンプラリーが終わったら、心おきなく勝ちにいくぞ!!

ついに上原さんの5年にわたるスタンプラリーも、初のリーチとなりました。
いよいよ次回の全日本、ハイランドで完了となる(予定)です。
一体どうなることやら・・・。

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