ツール・ド・九州2002イン七山

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全日本ラリー選手権参戦レポート

2002全日本ラリー選手権2輪駆動部門参戦レポート

第1戦 ツール・ド・九州2002イン七山

2002年全日本ラリー選手権(2輪駆動部門)第1戦 ツール・ド・九州2002イン七山

2002年4月6日(土)~4月7日(日)
佐賀県東松浦郡七山村周辺約250km(オール舗装路面)
タイムスケジュール:第1セクション・・・・6日13時スタート SS4本
           第2セクション・・・・6日18時スタート SS8本
           第3セクション・・・・7日8時スタート   SS4本
                    → 合計SS16本(約50km)
天候:大雨(4月6日)のち晴れ(4月7日)
路面:ウェット(第2セクションでは路面上を雨水が小川のように流れる状態)
   ドライ(第3セクション)

用語の説明
TC:タイムコントロール・・・・・・事前に指示された時間(時分)にそこにつけば減点0、以後、1分ずれるごとに10点減点。
SS:スペシャルステージ・・・・・・ある区間をヨーイドンで走り、所要秒がそのまま減点となります。

いよいよ2002年のシーズンが始まりました。今年は排気量によるクラス区分も変更され、今まで1000cc以下、1600cc以下、1601cc以上で分けていたのが、今年から1400cc以下、2000cc以下、2001cc以上に改訂されました。この分類に伴って、排気量1997ccのトヨタアルテッツァ(SXE10)を選んだわけですが、車体が大きく車重が重い(ノーマル状態でライバル車が1100kg前後なのに対して1360kgもあります!)、FRであるなどの理由からかなり苦戦が強いられると予想されていました。スタート前の下馬評でもテンロククラス(AE111レビンやシビックtypeR)、テンハチクラス(セリカ、旧型インテグラtypeR)などの戦いになるであろうと予測されていました。新型シビック、新型インテグラ、その他の2000ccNAは今回は出場しておらず、唯一の2・NA車でした。新型車が少なかったせいもあって、スタート前から注目度は高く、PD(Play Drive)、JAF sports などの取材を受けました(来月号に掲載されます)。

第1セクション

スタート前から降り出した雨が次第に強くなってくる中、ラリーはスタートしました。今回はヨーロッパスタイルで、計算区間は無く、全てSS(Special Stage:林道を閉鎖して1台ずつ全開走行を行って所要タイムを競う区間)で成績が決まる・・・はずでした。

SS1(舗装上り約2.5km)

今シーズン初めての全開走行です。初めての車、初めてのSS、しかも大雨・・・緊張度はかなりのものです。スタートして1つ、2つコーナーを抜けていきます。暫定の足のわりには、頭の入り、リアの振り出し等まあまあの線です。だんだんペースを上げていきます。ゴール!136秒。ゼッケン1から我々30番までの中ではベストタイムでした。ゼッケンが後ろほど速い人が多くなってきます。何秒負けるのか興味のあるところですが、まあ、話にならないような遅いタイムではなさそうです。かなりホッとしました。

SS2(舗装下り約2km)

ギャラリーステージです。スタート後3つ目のコーナーから道の両側には、雨にもかかわらずギャラリーが大勢います。ギャラリーの目の前で失敗しました。短いSSなのですぐゴール。ゼッケン20に1秒負けました。

SS3(舗装上り約3km:SS2の逆走)

ギャラリーステージです。雨がどんどん強くなってきて、路面もかなりスリップしやすい状態になっています。こうなってくるとFRはきつい!ギャラリーにはFRドリフトをサービスしつつゴール!ここまでのベストタイムに5秒も負けています。

SS4(舗装下り約2.5km:SS1の逆走)

もう道はほとんど川と化しています。水の流れの部分に乗ると、簡単にハイドロプレーニングが起き、ブレーキもステアも効きません。ひたすら路面を選びながらブレーキング&アクセリングによるドリフト・・。怖かったです。ベストタイムの1秒落ち。
結局、セクション1では、後半ゼッケンが良いタイムを並べてきており、シビック(38)、セリカ(37)、AE111レビン(31)、ミラージュ(20)、インテグラ(33)に次ぐ6位の位置をキープしました。トップとは7秒差。スタート前の予想からすれば奇跡的な成績でした。

第2セクション

暗くなって雨は一層強さを増してきました。ダンロップ勢や横浜勢はレインタイヤに変更してスタートしていきます。残念ながらブリジストンにはレイン専用はありません。まあ、ドライ用がかなりウェットでもグリップするんですけど・・・。

SS5(舗装up & down 約2km)

この林道は道幅が広く、車体の大きなアルテッツァでもかなり積極的な走りができました。雨は強くなり、ブレーキングでフロントタイヤがアウトに逃げようとします。そこを無理矢理アクセルでリアを滑らせてやって、コーナーは全て横向きで抜けていきます。タイムはここまでのベストタイム!(後ろのゼッケンには負けてしまいましたが・・)

SS6(舗装up & down 約3km)

この林道は道幅が狭く、途中数カ所の簡易舗装路面も入ります。ツイスティなコーナーが続き、2ヶ所長い直線があります。スタート後5つコーナーを抜けた後、最初の直線・・3速全開140km/Hからブレーキング!ブレーキが効かない!!ハンドルも効かない!!完全にハイドロプレーニング!なんとかイン側の縁石にタイヤをヒットしただけでクリア出来ました。そこから後は、短い直線でもブレーキが効きにくい、頭は入らない・・・。そして2つ目の長いストレート。3速全開で走行中から勝手に車が斜めに向いていきます。アクセルを離しても、ブレーキしても、ハンドル切っても・・・また縁石にドン!今度は縁石を乗り越えて草木をなぎ倒しました。そこで、なんと右フロントタイヤがバースト!さすがに235/40-17に縁石&草木は辛かったか??あとはゴールまでそこそこの走り・・。結局ベストに10秒以上負けてしまいました。

SS7(舗装下り約2.5km:SS4と同じ)

タイヤ交換して新たな気持ちで再スタート。それでも水が流れる路面に気持ちはビビってしまいました。リズムに乗りきれず、レインタイヤを装着した人たちに10秒も負けてしまいます。

SS8(舗装up & down 約3.5km:SS2と同じ林道)

雨はやや小降りになってきました。まだまだウェットですが水は流れてなさそうです。少しづつ恐怖感を克服しつつアクセルを踏みます。ベストタイムに14秒も負けてます。しかし、1位が抜け出ているだけで、2番タイムには5秒差の4番タイムです。まだ行けそうです。

SS9(舗装up & down 約2km:SS5の逆走)

道幅が大きく走りやすい、加えて雨もあがって、路面の状態も良くなってきました。ベストタイムに1秒差のタイムが出せました。ようやくトップグループに追いつけた感じです。自信を取り戻しました。

SS10(舗装上り約2.5km:SS1と同じ)

雨はすっかり上がって少し霧が出てきました。調子が出てきたので走りも快調!ベストタイムに1秒差の2番手

SS11(舗装up & down 約3km:SS6の逆走)

先ほど怖い思いをしたSSの逆走です。長い直線ももうハイドロプレーニングは起きません。後半のツイスティなコーナーの連続に大きなマシンを曲げるのはちょっと大変。結局ベストには3秒負けました。

SS12(舗装up & down 約3.5km:SS8の逆走)

このラリーで一番長い距離のSSです。先ほどのSS7ではベストに14秒も負けたのでがんばらねば・・。道幅は下りになって狭くなりました。あと3つのコーナーでゴールという矢先・・・路面上の草にリアタイヤが乗り、ドリフトアウト!右後輪は完全に道から落ちました・・・が、次の瞬間!岩か何かに右後ろがヒットして反動で道に戻されました。ラッキー!!!!そのまま走り続けてゴール。トップの2秒落ちでした。
結局、第2セクションを終了した時点で、インテグラ(33)、AE111レビン(31)、セリカ(37)に次ぐ第4位!こりゃメダル獲得も可能性あるかも!

第3セクション

一夜明けて、天気予報では快晴なのに・・外は霧の中。本当に晴れるのかな?7時半、前日の暫定成績が発表されました。あれ?ペナルティが50点付いてる・・???オフィシャルに問い合わせたところ、前日バースト後タイヤ交換を行った地点が問題で、指定された場所でなかった・・・ということらしく、抗議は受けてもらえませんでした。これで4位だったはずが11位。目標を『完走』に再設定し、スタートしました。

SS13(舗装up & down 約3km:SS6と同じ)

ここは得意な道。SSスタート前には青空も出てきました。路面は日陰部分がウェット、陽の当たる部分はドライ。前日に比べると格段にグリップします。グリップしすぎてリアが流れず、弱アンダー傾向です。ベストに4秒負けの2番手

SS14(舗装下り 約2km:SS2と同じ)

ギャラリーステージです。前日に比べ天気も良く、たくさんのギャラリーが集まってきました。下りの舗装で弱アンダーはややきつい感じ・・。ベストに3負け。

SS15(舗装up & down 約3km:SS13の逆走)

得意な道です。もう路面は完全ドライ。ベストに2秒負けの3番手。

SS16(舗装上り 約3km:SS14の逆走)

最終SS。もう踏んで行くしかありません!特にギャラリーの目の前では派手に走ろう、と心に決めてスタート。途中までは快調でした。と、ある左コーナーオーバースピード気味に進入すると、なんと日陰でウェット!!ドアンダーを出しつつ、右フロントが側溝へ一直線。ものすごい衝撃とともに跳ね返され、道の上には残っていたので再発進。ロワアームが曲がったらしく、ハンドルが切れた状態で真っ直ぐ進んでいきます。前輪が負荷になっているのか、加速も悪くなりました。ギャラリーコーナー・・・現れるのは遅かったでしょうけど、思った通りにドリフトで駆け抜けました。ベストには7秒負け。
結局、第3セクションではトップに15秒も離される結果となりました。第1から第3セクションまでの合計で、SSタイムは5番手でもペナルティを食らったので順位は9位でした。

最終成績:1401~2000ccクラス 9位(22台エントリー) 総合13位(47台中)

初めての車で出場したため、操縦性、速さ、足の出来具合など様々な不安材料がありましたが、その割には非常に良い成績で終われたと思います。ただ残念なのは、タイヤ交換に関してのオフィシャルとのルール解釈の見解相違に基づく減点を受けてしまった事です。出場した他の選手達からは、『正直、アルテッツァがここまで来るとは思わなかった』『なんでこの大きな車がこんなに速いんだ?』といった驚きの声が多数聞かれました。間違いなく、今シーズン注目度ナンバーワンです。となると余計に入賞したかったと思います。次戦はもう2週間後。今度は四国愛媛県です。ドライでの足のセッティングをもう少し詰めて行きたいと思っています。

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