点火系チューンは本当に効くか

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点火系チューンは本当に効くか 

ロードスターに乗られている読者の方から、プラグコード交換に絡んで「点火系のチューニングは本当に効果があるのだろうか?」という疑問のメールをいただいたので、私なりの見解をお話したいと思います。

最初にお断りしておきますが、これからの話はバイクのレース活動やエンジンチューン、普通の方より多いであろうパーツテスト機会から得た私の経験則です。電装系のプロではありませんから、専門家から見ると「それはないよ」ということがあるかもしれません。その辺をご理解の上で参考にしていただければと思います。

さて、リプレイスのプラグコードには、定番のウルトラシリコンコードにはじまり、NGKのレーシングケーブルやアメリカ製のノロジーホットワイヤー、スプリットファイアーのツインコアケーブルなどなど、さまざまな製品が売られています。純正コードに比べてコードの抵抗値を低くしたり、あるいはノロジーのように余分な電気を蓄えて1回あたりの電流量を増やしたり、そのプロセスに違いはありますが、早い話がプラグに送る電流を増やしてスパークを強化するのが目的です。

その部分にウソがあったらシャレになりませんが、能書き通りに作用してくれれば、火花が強くなった分だけ混合気の燃焼効率が高まり、ドライバビリティや燃費が向上することになります。ただ、私の経験上、燃焼コンディションのいいとき、例えばスムーズに加速している、高速道路で一定の速度で巡航している、あるいはアクセル全開で最高速近いという状態では、ノーマルでも十分な燃焼効率が得られるため、高性能なプラグコードやプラグを装着してもあまり体感効果はありません。

では、どういったときに効くかというと、長い渋滞に巻き込まれたり、低中速から一気にアクセルを全開にしたりして、一時的にくすぶったり混合気が濃くなって燃焼室が燃えにくい状態になったとき、標準のシステムではプラグが失火してしまうところを、強い火花ならしっかり着火してくれます。

以前、4気筒1200ccのバイクのチューニング過程で、ピークパワーは出るものの中低速域のトルクの谷がどうしても消えず、いろいろやる中でシリンダーヘッドを改造して1シリンダー2プラグ化したところ、その谷が見事に消えたことがありました。そのときピークパワーがまったく変わらなかったので、このような結論に至ったわけです。

ただ、キャブレター仕様のバイクならいざ知らず、今の4輪車はインジェクションの制御が緻密になって、そもそも失火するような燃焼状態にならないようにコントロールされますから、高性能なプラグコードやプラグが威力を発揮できるケースは減っています。また、仮に効果が出たとしても、排気量や圧縮比、バルブタイミングといった根本的な部分は変わりませんから、エンジンが持つポテンシャルを100%近くまで引き出してくれるだけで、110%、120%にはならないのがプラグコード、プラグを含めた点火系チューニングだと考えています。

(2001年10月2日)

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